2017/05/30 1st edition.
2017/07/07 Last updated.
○ 誰を対象にしているのか
・この文章は病理医を始めて 1 - 2 年目の先生,病理診断に興味のある消化器内科の先生
・必要な背景知識は医学部の学生の下から数えて何番目程度の人に設定
・臨床検査の学生さんや興味のある看護師さんでも読める,と思いたい
○ 胃生検は難しい?
・胃生検も難しいと言われることもあるが,それを言い出すと全部難しい
・どの臓器でもそうだけど,ちゃんと手順を追って標本を見ていけばそんなに難しくない
○ 胃生検では病変を大きく 5 種類に分ける
・胃生検では Group 分類を用いるが,施設によっては使用しないところもある
・胃の Group 分類
Group 1:癌じゃない!明らかに良性!(含むポリープ)
Group 2:よくわからん.よくある鑑別診断は癌 vs 再生異型あたり
Group 3:腺腫
Group 4:よくわからん.少なくとも腺腫以上の病変.よくある鑑別診断は腺腫 vs 癌
Group 5:癌
○ なぜ悩むのか
・悩むべきポイントはだいたい一緒で,Group 2, Group 4 あたり
・Clear cut に診断できる術があるわけではないが,ある種の考え方というのがあって,そのロジックに従うと大きく外すことはない
○ 若い先生の悩み
・A 先生は癌といったのに,B 先生は腺腫と言われる
・胃生検は検体数が多くてみんなが見ているにも関わらず,診断基準が比較的曖昧
・曖昧なんだけど,大体は一致している,だいたい一致はしているけれど,微妙にずれている.
・ここに書いてあることはどどんぱせんせが日常業務で実践していることで多少意見の相違があるかも
・もし違うことを指摘された場合は,もともとの基準が曖昧なところもあり,あまり議論をしても意味が無いことが多い
・よって,基本的には素直に上司に従った方が無難
○ わかりやすくするための配慮
・必ずしも適切ではない表現を使用している部分がある
・この文章を読んだあとにきちんとした教科書を読んで,知識を固めていくこと
○ 内視鏡所見との対比について
・本来は内視鏡所見との対比をすべきだが,この文章ではあえてしていない
・どどんぱせんせがそこまでの知識を持ち合わせていないのと,検査センターでの診断についてはそこまで細かい情報が得られないことが多いから
・もっとも細かく丁寧な診断を行うためには重要であることにはいうまでもない
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