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2024年11月4日月曜日

2024 年度病理専門医試験の総括(疾患当てクイズ編及び病理解剖)

どどたんせんせは毎年病理専門医試験で公開された問題を集計してデータベースを作成しています.そのデータベースからいくつか抽出して考察をしてみる.まずは疾患あてクイズから.

# 最近の平均点の傾向

平均点は過去 24 年間をたどると多少変動があるものの,おおむね 3.3 - 3.8 点程度を推移している.直近でいうと,少しずつ平均点及び中央値が下がっている.

過去 5 年間での平均点の平均の推移
  • 2020 3.79
  • 2021 3.58
  • 2022 3.73
  • 2023 3.57
  • 2024 3.51

過去 5 年間での平均点の中央値の推移
  • 2020 4.055
  • 2021 3.825
  • 2022 3.925
  • 2023 3.775
  • 2024 3.755

難化傾向とも言えなくはないが,平均点の差は出題内容と併せて見るにほぼ誤差と言える程度であり,良質の問題からなっている.後述するように全体的に安定した問題セットであり,病理診断の実力を測定するに格好の出題である.若干の難問を除いて少なくともここ数年は安定した出題になっており,来年度の受験生はオーソドックスな勉強で全く問題ないと言える.

# 正答率の高かった問題

  • Infective endocarditis
  • Invasive lobular carcinoma
  • Condyloma acuminatum
  • Sebaceous carcinoma
  • IgG4-sclerosing cholangitis
  • Low-grade appendiceal mucinous neoplasm
  • Metastatic carcinoma
  • Adenocarcinoma
  • Cholangiocellular carcinoma
  • Angiosarcoma
  • Splenic infarction
  • Medullary carcinoma
  • Trichilemmal cyst
  • Amebic colitis
  • Solid pseudopapillary neoplasm
  • Salivary duct carcinoma
  • Lichen planus
  • Glioblastoma, IDH-wild type
  • MALT lymphoma

4.5 点以上の得点の問題を取得した問題を提示している.これらは骨髄の癌転移以外は全て過去に出題されている問題であり,その多くは過去数年で出題されている.そして過去に出題されているときよりも正答率が上昇しているものが多い(多くの人が試験対策をしている).もちろんここに掲示されている問題はいずれも基本的かつ重要な疾患であり,過去に出題されているかどうかによらず専門医レベルとしては解答できなくてはいけない.

このように,病理専門医試験では同じ問題が繰り返し出される.もちろん日常の診断を丁寧に行っている人にとっては簡単と感じるかもしれないが,多くの人が取れる問題で取りこぼさないためにも過去問のレビューは必要である.言い換えると,多くの人が「試験対策」を行っている現状での得点率であり,8-9 割程度の得点を取れる人でなければ試験対策は必須と言える.

# 正答率の低かった問題

その中で平均点が 2.0 を切った疾患は以下の通りである.
  • Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplams
  • Ductal hyperplasia
  • Peutz-Jeghers polyp
  • Parosteal osteosarcoma
  • Glomus tumor
  • Small cell carcinoma
  • HSIL
  • Lipoblastoma
  • Endometriosis
  • Follicular hyperplasia
  • Anterior lobe of pituitary gland (normal histology)
  • Inverted papilloma
  • Epidermoid cyst
  • Right lung S6 (normal anatomy)
Ductal hyperplasia は 2001 年を最後に出題されていなかった(その時の平均点は 3.01 点).Glomus tumor のように過去に出題されてはいたが,胃の出題は初めてなど,比較的稀な臓器での出題が見られた.子宮頸部細胞診の HSIL は何度も出題されているが,細胞診として出されると正答率は比較的低めである(気持ちはとても良くわかるが).気管支擦過の Small cell carcinoma も細胞質を少し認識すると腺癌と間違える可能性もある.

これらの疾患について次のような傾向にまとめられる.
  • 新規出題(過去に出題例がない)あるいはかなり昔の出題からのリサイクル
  • 異なる臓器(≒好発ではない臓器)での common な疾患
  • 正常構造,反応性,良性疾患の出題

# 今回新規に出題された問題

  • Anterior lobe of pituitary gland (normal histology)
  • C3 nephritis
  • Endometrial stromal breakdown
  • Intramuscular lipoma
  • Lipoblastoma
  • Myxofibrosarcoma
  • Parosteal osteosarcoma
  • Secretory carcinoma
  • Adenomatoid odontogenic tumor
  • Follicular hyperplasia
  • Intracholecystic papillary neoplasm
  • Thymic cyst

分類の仕方によって多少違いはあるが,2001-2023 までの過去の出題例から見て新規出題と思われる疾患を抽出してみた.唾液腺の secretory carcinoma は 2009 年に乳腺の secretory carcinoma として出題されている.Endometrial stromal breakdown は HE だけで診断するのはちょっと難しいような感じもあるが,正答率はやや高めである.C3 nephritis はかなり難しいとは思うが,蛍光抗体と併せて出題されるとそこまで難しくはない.比較的新しい疾患は組織形態像ではなく特殊検索などにより定義されているため,HE のみでは出題しにくく,免疫染色や FISH などが出されるとすぐわかってしまうという難しさがある.そのため「診断に有用な免疫染色は?」みたいな変化球的な出題になりがちである(例:mantle cell lymphoma -> cyclin D1, Burkitt lymphoma -> MYC, well-differentiated liposarcoma -> MDM2).

今回の問題セットで印象的なこととして,intramuscular lipoma, lipoblastoma, myxofibrosarcoma, parosteal osteosarcoma が出されている.報告書にも記載されているが,骨軟部腫瘍で新規出題がなされている.もちろん正解できたらすごいが,わからなくてもしょうがないと思っている.Intramuscular lipoma は well-differentiated liposarcoma との鑑別が必要になるし,後 3 者は骨軟部腫瘍の専門施設でないとおそらく見ることはないだろう.対策をすること自体は否定しないが,骨軟部腫瘍は放射線画像を含めてある程度読める必要があるのと,組織像が疾患同士で overlap しうるので,研修環境にいなければ無理に勉強しなくてもいいように思う.

# 病理解剖問題は安定した定番の出題

多発性骨髄腫 → アミロイドーシス → 心不全及び多臓器不全 → 死亡というシンプルな出題であった.病理解剖で経験しなくとも,骨髄生検や胃生検などで類似した経過をよく経験するので,自験例の病理解剖としてみたことがなくてもおそらく解答自体は可能なはず.

骨髄腫とアミロイドーシスの関連を言及できていない受験生がいたと報告書に記載があるが,それは流石にまずい...

強いて言うなら,アミロイドーシスの 5 亜型を全て完璧に述べるのは難しいかもしれないが,少なくとも 2-3 種類は答えられるはずで,部分点を狙いに行くことで十分合格点に達せられるようにできているはずである.

# フローチャートの問題

何度も言っているが,病理専門医試験の出題委員は試験の専門家ではないし,どうやら病理専門医試験自体は統括されていないように見える.それは特に病理解剖問題の出題や模範解答に年ごとのばらつきが強いところに見られる.従来であれば多発性骨髄腫 → アミロイドーシスというシンプルな矢印になっていたし,アミロイド生成・沈着という過程を示すような項目が中心に来ることは稀である.

病理解剖の主病変・副病変,及びフローチャートについては何をどのように書くべきかについてはきちんとした公式の定義自体は存在していないように見える.病理剖検輯報の記載方法が唯一のルールであるが,これも網羅的とは言い難い.この問題については何年も前から様々な人が声を上げているが多分解決されないだろう(病理解剖に本質的な意味での再現性や客観性を求めると,病理解剖自体が成立しなくなるか,非常に限定的な意味合いしかもたなくなってしまうので).

# 今後の対策

今回の分析では過去問を完璧にすることで 86% の問題は正答を得られる可能性があることが分かり,疾患当クイズ (I+II 型) については現行の過去問やクイックレファレンスなどの勉強方法で十分である(2023 年は 82%).ただ,懸念される点としては,試験対策としての完成度が上がるほど出題する側としては対策をせざるを得なくなり難化傾向に繋がりがちである.

さらに近年では疾患概念の変遷に伴って,従来の疾患名を答える問題だけではなく遺伝子異常を答える問題や,正常構造や良性疾患等の従来あまり出題されなかった疾患,切り出しや迅速診断などより実務に即した問題が出題される傾向にある.病院で病理診断のトレーニングをしている人にとっては通常業務を聞かれていることになり,より有利になるが,研究と同時にトレーニングをしている人には少し厳しいかもしれない.

正常構造を問う傾向は今後も続くと思われ「病理と臨床 2017年臨時増刊号 病理診断に直結した組織学」などで知識の補強を行うことが望まれる.

なお,I 型の○✗問題については,過去問+αで新しい問題が出題されている.法律関係や保険診療関係は学習をしようとしても幅が広くなるかつルールが変更されるので,深入りはおすすめしない.トレンドはあるにはあるが,せめて過去問をカバーする程度にしたほうがコストパフォーマンスの観点からは必要十分である.

病理解剖についても近年は比較的素直な(言い換えれば臨床情報を読めば主病変・副病変の大方が判明するような)出題になっている.病理専門医試験の中で,臨床的な知識と経験が要求される問題であるため,日頃から臨床病理相関をつける癖をつけることと,もし内科的知識が足りないという自覚があるのであれば,シンプル内科学など,網羅的な内科の教科書を通読することをおすすめする.

2023年12月3日日曜日

2023 年度病理専門医試験の総括(疾患当てクイズ編)

どどたんせんせは毎年病理専門医試験で公開された問題を集計してデータベースを作成している.そのデータベースからいくつか抽出して考察をしてみる.

# 全体的には平均的な出題で実力を存分に発揮できる試験のセット

言うまでもなく,病理専門医試験では同じ問題が繰り返し出される.そのため過去問を丁寧にレビューすることが点数を上乗せするために必要になる.2023 年度の出題疾患をみても,ほとんどが過去問で扱われた疾患であり,奇をてらうような疾患はほぼ含まれておらず,比較的解答しやすい印象ではなかっただろうか.

もちろん試験としては簡単すぎることもなく,受験者の実力を適切に評価する試験だったと考えられる.

# 正答率が低めであった問題

一般的に新規に出題される疾患は正答率が低い傾向にある.加えて,良性疾患,非腫瘍性疾患,細胞診や迅速診断では腫瘍がない陰性例は正答率が低くなりがちである.そもそも論として陰性や正常と言い切るには他の様々な可能性を否定する必要があり,かなり勇気がいる.本年も同様に,これらの疾患で正答率が低めであった.

正答率が低めの問題は翌年以降にリベンジとしてアレンジして再出題されることがあるのでぜひとも復習しておきたい.

# 今回新規に出題された問題

分類の仕方によってだいぶ異なるが,2001-2022 までの過去の出題例から見て新規出題と思われる疾患を抽出してみた(亜型等での新規出題は除く).2つの群に分ける.

## 正常構造,非腫瘍性疾患

近年の出題でメッセージ性を強く感じることの一つとして,正常構造や遺残物が解答となるような問題が散見され,特に新規出題例の中で多くを占めている.これらは正常構造として当然知っておかねばならない,はずである.

現在は純粋な形態のみの理解だけではなく,遺伝子異常等,学習することが多くなっている傾向にあり,正常構造の学習がおざなりになりがちである.もちろん限られた時間で学習をする必要があるので,ある意味仕方ないのだが.その中で正常構造もきちんとして理解してほしいというメッセージと考えられる.
  • Intrapulmonary lymph node
  • Endometrium, secretory phase
  • Rathke cyst
  • Seminal vesicle
## 他の新規出題疾患

Atypical carcinoid が新規出題例であったことに少し驚いている.肺・縦隔の atypical carcinoid は施設にもよるが一般的にはかなり稀であり,診断基準をきちんと把握している人は少ないのではないだろうか.試験では neuroendocrine tumor とし部分点を狙うしかないような気もしている.

Cylindroma や microcystic adnexal carcinoma は有名とはいえ,こちらもかなり稀で見たことがない人も少なくないと思われる.かくいう自分も cylindroma は経験がない.

エキノコックスも地域性はあるにせよ結構有名な疾患だが,過去 20 年間の病理専門医試験としては初登場ということになる.
  • Atypical carcinoid
  • Severe dysplasia of the oral mucosa
  • Cylindroma
  • Microcystic adnexal carcinoma
  • Echinococcus infection
# ○×クイズ

配点が低いのであまり力が入りにくいが,内容的には例年を踏襲した無難な問題セットであた.ただ意外だったのは ISO20387(バイオバンク)を病理検査室の国際規格として間違えた人が相当数いたことだ.おそらく分子病理の講習会でいくつか数字を聞き,それが誤って定着したものと考えられる.

ただ,ISO15189 は認証を取得している施設では耳にタコができるくらい聞いているはずで,この正答率の低さが気になる.

プリオンの失活の温度を知っている人はプリオンに暴露されたことのある人くらいではないだろうか.知っておいて損はないだろうが,細かいことにこだわりだすとコストパフォーマンスが悪くなるのでほどほどに留めておいたほう良い.

# 今後の対策

例年通りの,過去問を中心とした学習で全く問題ない.新規出題例はごく少数で,過去問を中心とした学習で十分余裕を持って合格点を狙える.近年出題された疾患は比較的再度出題されやすい一方で,稀に過去に出題された「相当古い?(稀な?)」疾患が再度登場することもある.出題頻度を頼りに可能であれば,出題頻度の低い疾患もカバーすると充実した対策になるだろう.

高得点を望む人や余裕のある人は「病理と臨床 2017年臨時増刊号 病理診断に直結した組織学」などの正常組織の復習すると,近年の出題傾向と併せ,さらに点数が上乗せされるであろう.ただ,出題されている正常構造は基本的なものばかりであり,試験勉強というよりも普段の診断のために勉強してほしいというのが正直なところである.

2022年12月11日日曜日

病理専門医試験の総括(病理解剖編)

# 今年の病理解剖の試験は違った

例年の病理解剖試験はリード文(臨床経過)を読めば,主病変の診断がわかるような問題設計がなされていたが,今年は過去十年程度ではおそらく初めて?リード文だけでは主病変が判明しない問題であった.例年からは主病変はリード文でほぼ決まってくる症例ばかりであった.

その一点において,過去とは異なるため少し難易度が高く感じることがあったかもしれない.詳細は実際の標本が閲覧できる状態(剖検講習会)まで待つ必要がある.


# しかし主病変は過去に出題された IVL であった

血管内 B 細胞性リンパ腫 IVL 自体は過去にも出題されている(2002 年).その点においては過去問を丁寧に潰しておけば,IVL の概念自体を知らなかったということにはならないと思われるが,20 年前の問題まで丁寧にレビューすべきかという疑問は残る.

残念ながら yes と言わざるを得ない.これは病理解剖問題に限らず,I+II 型問題でも過去の問題が再度出題されることはある.ただし,疾患概念自体が変化し出題にそぐわない問題も含まれており,ある程度の取捨選択は必要である(病理専門医試験を受験しようとしている人にとってはその程度の差は十分に吸収できるであろう).


# 他の細かい話

例えば,脳梗塞の存在は肉眼所見等から類推可能であるが,膜性腎症や IVL については標本(WSI) から読み取って診断をする必要がある.WSI 自体は多くの施設や研究会等で採用されていることから見たことがない人はまずいないと思われるが,細かい操作方法は機種により異なる.現実的にはある程度の練習はしてもよい.

前立腺癌がオカルト癌として入っているのは定型的であろう.

フローチャートは例年通りで,がんから始まって最終的には呼吸不全,循環不全から死亡という定型的なストリー展開である.

GIST のようなリスク層別化されている腫瘍は副病変に入っている.高悪性度の場合は主病変に入れるべきかという疑問が残るが,おそらくその点はあまり心配しなくてもよい.定義のはっきりしないものはある程度採点時に考慮される(過去にも模範解答で副病変の肺炎が直接死因になったことがありそれも物議を醸した).

あと模範解答に免疫不全?と?を入れるのは個人的にどうかとは思う.受験生が使うのならまだしも模範解答に不確定な要素を含めるのはあまり良いとはいえない.


# 今後の傾向と対策

近年ガラスの標本から WSI に変化したことで出題の傾向が変わりうる.

WSI での出題が可能になったことで 100 枚以上同一の品質で作製する必要がなくなり,結果として,さらに希少な疾患や微小な病変の出題が可能になったため,これまでに出されなかった疾患が出題される可能性は考慮される.

最終的には各年の出題委員の意向に左右されるのだが,例年としては主病変はわかりやすいように,仮にわからなくても所見がきちんと記載できるような出題設計がなされている.

例えば,SLE や強皮症,ALS などの全身の臓器所見をきちんと暗記していなくても一つ一つの標本や肉眼所見を丁寧に拾っていけばある程度記載できるような配慮がなされている.特に近年では主病変は多くは過去に出題されている疾患がほとんどであり,過去に出題された疾患を YearNote や内科学の教科書を見ながら整理するだけでも十分過ぎるお釣りが来るはずである.

# おまけ

昔は同一症例で多彩な病変を含む解剖症例が選択されていたが,現在ではそのような症例を選ぶことが難しいらしく,複数の症例から組み合わせられているとされる.よって剖検症例の創作感が強くなり,本当にこんなに病変があっていいのだろうか?と思うかもしれないが,あくまで試験として対峙する必要がある.



2022年12月7日水曜日

病理専門医試験の総括(疾患当てクイズ編)

どどたんせんせは毎年病理専門医試験で公開された問題を集計してデータベースを作成している.そのデータベースからいくつか抽出して考察をしてみる.

# 全体的には正答率は上昇する傾向

言うまでもなく,病理専門医試験では同じ問題が繰り返し出される.そのため過去問を丁寧にレビューすることが点数を上乗せするために必要になる.

多くの疾患では過去に出題されたときよりも正答率は上昇している.正答率が 4 点を超えるようなもともと正答率が高めの疾患は多少変動する程度である.そのため,究極的にはよくある疾患は全員が応えられるために出題しにくくなるが,それでも全員解答できる事を考えると,学習の基本は過去問によるべきである.


# 過去に出題されたものの今回正答率を下げた問題

その中で正答率が明らかに下がった疾患は以下の通りである.

  • Adenomatous goiter
  • Amyloidosis
  • Asbestosis
  • Endometrial stromal sarcoma, low grade
  • Langerhans cell histiocytosis

問題の問われ方も多様化しており,疾患自体は知っていても設問に答えられなかった可能性がある.これらの疾患の共通点を指摘することは難しいが,例えば endometrial stromal sarcoma, low grade は leiomyoma/leiomyosarcoma との鑑別が難しくなることもあるし,Langerhans cell histiocytosis はある程度 working knowledge として鑑別診断に加えておかないと診断自体が難しい.教科書を参照できない状況下で診断を下すためにはある程度の経験を要する.


# 今回新規に出題された問題

分類の仕方によってだいぶ異なるが,2001-2021 までの過去の出題例から見て新規出題と思われる疾患を抽出してみた(亜型等での新規出題は除く).

  • # Mucous cyst
  • # Spirochete
  • # IgG4-related sclerosing cholangitis
  • # IgA nephropathy
  • # Granulomatous orchitis
  • # Adenomyosis
  • Serous tubal intraepithelial carcinoma
  • # Extramedullary hematopoiesis
  • Osteochondroma
  • # Toxoplasma infection
  • # Eosinophilic esophagitis
  • Metastatic clear cell carcinoma
  • # Lactating mammary gland
  • # Gynecomastia
  • T-lymphoblastic lymphoma
  • # Atrophic vaginitis

T-lymphoblastic lymphoma は ALL としては過去に出題されている.今まで(過去 20 年間に) IgA 腎症が出題されていなかったこと自体もびっくりだが,見てわかるように新規に出題される疾患の多くは非腫瘍性・良性疾患である.しかも日常診療で遭遇しうる絶妙なラインを問うている.特に今年はこの傾向が目立っている.

これは単に試験勉強ができているだけではなく,日常診断をきちんと行っているか,そして正常構造をきちんと把握しているかどうかという基本的な実力を問うている.あとは,腫瘍は遺伝子異常で診断される頻度が増えたため,古典的な HE 染色で診断というパターンが減っていることも考慮される.

特に細胞診の atrophic vaginitis は陰性症例として流され普段病理医の診断の場に登ってこない施設もあるかもしれない.病理専門医である以上は陰性症例であってもきちんと把握してその責任を果たしてほしい,というメッセージなのかもしれない.

# 今後の対策

今回の分析では過去問を完璧にすることで 82% の問題は正答を得られる可能性があることが分かり,疾患当クイズ (I+II 型) については現行の過去問やクイックレファレンスなどの勉強方法で十分である.

高得点を望む人や余裕のある人は「病理と臨床 2017年臨時増刊号 病理診断に直結した組織学」などの正常組織の復習するとさらに点数が上乗せされるであろう.

本記事ではあまり言及をしなかったが,I 型の○✕問題ではがんゲノム医療関連の出題も増えている.○✕問題は配点が少なくコストパフォーマンスが極端に悪いのだが,分子病理専門医を見据える意味でも勉強して損はないので,腰を据えてじっくり学習するのも良いと思われる.

法律関係や保険診療関係は学習をしようとしても幅が広くなるかつルールが変更されるので,深入りはおすすめしない.

2021年9月6日月曜日

今年 (2021) の病理専門医試験 III 型問題の予想

まずは予想の前に過去を振り返ってみましょう.

2020; 筋萎縮性側索硬化症(非腫瘍)
2019; 肺癌(重複癌)→ PTTM(腫瘍)
2018; SLE(非腫瘍)
2017; 脳アミロイド血管症(非腫瘍)
2016; 肺小細胞癌→血球貪食症候群,SIADH(腫瘍)
2015; コレステリン塞栓症(非腫瘍)
2014; 陳旧性心筋梗塞→弁置換→感染性心内膜炎(非腫瘍)
2013; SLE(非腫瘍)
2012; 悪性リンパ腫,DAD(腫瘍)
2011; 前立腺癌,(加療後の)敗血症(腫瘍)
2010; 肺癌,Trousseau 症候群,心筋梗塞(腫瘍)
2009; 急性心筋梗塞(非腫瘍)
2008; 薬剤性肝障害+ショック肝+CMV 腸炎(非腫瘍)
2007; SLE(非腫瘍)
2006; 全身性硬化症(非腫瘍)
2005; 心筋梗塞+敗血症(腫瘍)
2004; 同時三重がん(ATL+肺癌+前立腺癌)(腫瘍)
2003; 肺癌(腫瘍)
2002; Intravascular lymphoma(腫瘍)
2001; ATL(腫瘍)
2000; 関節リウマチ+アミロイドーシス(非腫瘍)

これを見てわかるのは,過去 21 年間で非腫瘍が 12 例,腫瘍が 8 例出題されています.腫瘍はかなり偏っていて,ほぼリンパ腫か肺癌です.非腫瘍性病変は多彩ですが,概ね血管性病変と膠原病に集約されます.特に SLE は定期的に出題されており,ぜひとも注目すべき疾患だったかと思われます.

剖検問題では疾患の多彩さが求められます.最近では複数の症例から併せて一つの出題がなされているのですが,多彩な症例が出ても良さそうな基調的な主病変が必要です.免疫抑制状態でもなんでもないのに CMV 感染が出てくるのは変ですよね?

そしてもう一つ重要なことは症例が手に入ることと医療ミスなどを匂わせないこと.例えば潰瘍性大腸炎からの toxic megacolon になりコントロールがつかず敗血症性ショックでなくなった症例があったとしましょう.現在では潰瘍性大腸炎が原因でなくなる方は稀です.もちろん toxic megacolon も放置をすれば亡くなるのでしょうが,剖検問題では clean で全力を尽くす世界が要求されます.治療を放置して死亡したというのは CPC になりえないのです.

つまり,積極的に治療をしたけど,甲斐なく亡くなったという症例が選ばれているので,癌の terminal で半年持った,みたいな話は出てきません.すると感染症や血管障害というのは(それが主病変であれ,副病変であれ)必ず出てくることになります.言い方は悪いですがそうしないと問題のリード文に収まりません.

さて,この中で今年の症例を予想すると,
  • ANCA 関連血管炎:血管性病変の中では過去 21 年間に出題されていない.
  • アミロイドーシス:21 年前に 1 度出題されている.多発性骨髄腫からのアミロイドーシスあたりは問題としても作りやすいが,これはまだ未出題
  • 心筋梗塞:ベタであるが,責任血管と梗塞巣との対比も含めて出題をしやすい.合併症が多く症例に多彩感を出しやすい.
この 3 題を予想します.

あたったらぜひジュースおごってください.

2018年10月31日水曜日

病理医は余っているのではないか問題~続き

はじめてのひとは
http://dodompa3.blogspot.com/2018/09/blog-post_20.html

あたりから読み始めてもらえるとストーリーが掴めそうです.

1. 病理と臨床の 11 月号の「今月の話題」

病理と臨床の今月の話題として,「表で見る 病理専門医最新情報」が掲載されている.前回の投稿で入手できなかったデータも含めてある程度網羅的に掲載されており,これを含めて書き直すと
専門医人数 前年度からの増加分 その年の病理専門医の合格者数
2007 1929 N/A 92
2008 2052 123 90
2010 2029 -23 81
2011 2078 49 83
2014 2292 214 74
2015 2317 25 61
2016 2365 48 74
2017 2405 40 71
2018 2479 74 100

のようになる.昔に遡るほど,年の間隔が大きくなっていることに注意.確かに記事の指摘しているように,この調子でいけば 6-7 年程度で,病理専門医 3000 人を超えることは可能と考えられる.

この記事では地域の偏在について主な焦点を当てているが,地域間の偏在なんて要素は結構どうにでもなる要素であったりするので,どどたん先生はあまり興味ない.

2. 男女比について

m f
18 1591 310
28 1849 513
30 1903 580
H18 年では女性比率が 16.4% だったのに対して,H30 年では 23.4% に増えている.H18 - H28 の 10 年間で 5.3% up(0.53%/year)だったのに対して, H28-H30 の 2 年間で 1.7% up (0.85%/year) と女性医師の比率が増えている.要は女医の増えるスピードが上がってきている (f''(x)>0) .

医師全体に占める女性の割合である 21.1% をすでに超えているのと,女性医師の比率が毎年のように上がっていることを考慮すると,病理診断科は皮膚科や麻酔科などと並んで,女医に好まれやすい診療科になりつつあると言えよう.

今年の専門医受験者数 100 名のうち,55 名が男性,45 名が女性であることを踏まえると究極的には 40-50% 程度,今後 10 年間で少なくとも 30% を超えるだろうことは容易に想像ができる.

特に productive age / childbearing age である女性の場合,就業に対する配慮を今から考えておかないと,病理医をうまく確保することはできないかもしれない.そしてこのことは必ずしも女医自体にとって有利に働くとは限らなくて,女性の敵は女性と言われるように,女医の就業に対する配慮に一番反対しているのが他の女医であることは少なからず見受けられる.病理を目指そうとしている女子医学生はこの点を意識しておいた方がよい.この科なら楽勝だ,なんてことはどこにもないというわけで.

3. 65 歳率について

H30 年の病理専門医の 65 歳率は 21.9% であり,これも着実に増加している.65 歳率がなんたるかは書いていないが,おそらく 65 歳以上の医師についてだろうということで議論を進める.高齢化率については経時的なデータが必要で,与えられたデータだけでは議論ができない.もちろんその時を切ったデータは重要なのだが,未来を予測するためには過去から現在までのもう少し細かい推移データがほしいところ.

さて H28 でいうと,日本の医師全体のなかで 65 歳率が 25.1% であり,それに対応するデータとして病理専門医の 65 歳率は 19.9% である.マイナス 6% である.

多くの診療科では定年を迎えると,特に外科系では診療科を転科することも多く,産業医や老健,リハビリ病院など違った展開をしていることが多い.定年後にもう働かないという人も稀にいてもちろんその人の自由でありなんてことはない.

日本全体の 65 歳率が 25.1% の中で病理専門医で約 20% で平均データに比較的近いということは 65 歳を過ぎても病理医を続けている人が多いことになる.もちろんこれは日常の感覚と一致している.そして 65 歳以上の人がなかなかやめないことで,病理専門医の数を維持しているとも言える(要するに in を増やして out を減らした状態で 3000 人を目指そうということ).そのために平均年齢自体も経時的には緩やかに上昇している.

理想的な in/out balance ができていれば,平均年齢が大きく動くことはほぼないはず.ちなみに H28-30 についてはある程度理想的な in/out ができたとも言えなくもないが,それでも 65 歳率が上がっており,これには具体的なデータの分析が望まれる.

4. 意外といらないデータ

男女参加なのか?と同県別の男女のデータが熱心に載せているが,あまり必要性を感じない.

結局何がいいたいかというと,増やすのはいいけれども,受け皿はちゃんと考えているの?ということ.どこぞの博士号大量生産したはいいけど,ポスドクすらつけずにましては常勤職も無理でなんてコンビニバイトしている人が問題になっているけど,病理もそうならない?ということで,偉い人はちゃんと受け皿を考えておいてねー.

2018年10月1日月曜日

病理専門医試験結果についての分析(追加あり)

1. 「ぱそ太郎先生による分析」の分析
https://twitter.com/pathotaro/status/1046621316646809601
平成30年度病理専門医試験
 非3年制受験者 94人
 3年制受験者 33人
  欠席者2名
 非3年制合格者数 (推定)74人
 3年制合格者数(推定)26人
(3 年制の合格者数については「実名→厚労省の医師確認サイト」で,受験者の卒業年度をもとに推測されているようだ)

https://twitter.com/pathotaro/status/1046403218224295936
病理学会で公開されている、
平成30・31年度各種委員会抱負と課題公開http://pathology.or.jp/news/pdf/houfu_180805.pdf
の専門医資格審査委員会によると平成30年度専門医試験受験生は合計127人で、うち3年制受験生は33人とのこと。

と推測されているが,
http://pathology.or.jp/side/pdf/KAIHO367_0928.pdf
によれば,出願 124 名,受験者数 122 名,合格者数 100 名,合格率 82.0% となり,上記は 94+33-2 = 125 であり,受験者数については,若干の齟齬がある.会報誌を確実に正しい情報だという前提で再計算すると,

【平成30年度病理専門医試験】
 非3年制受験者 94人 → 逆算すると,89 人?(89+33+2 = 124 人)
 3年制受験者 33人 (根拠)専門医資格審査委員会
  欠席者2名 (根拠)会報誌
 非3年制合格者数 (推定)74人 (根拠)パソ太郎先生の分析(合計 100 人から逆算?)
 3年制合格者数(推定)26人(根拠)パソ太郎先生の直接カウント,合計 100 人は会報誌を根拠

上記を想定すると,非 3 年制 74/89 = 83%, 3 年制 26/33 = 78% となる((74+26)/(89+33) = 0.819 で,全体としても compatible である).

2. 上記の結果をどう解釈するか
これまでの病理専門医試験でもそうだが,4 年(あるいは 3 年)ですぐに受ける人は意外と少なくて,それ以上の病理診断専従の期間を経て専門医を受験する人が相当するいると言われている.

特に最近では剖検症例がなかなか揃わずに受験までたどり着かないという例も少なからずある(正直この制度はやめたほうがよいと思うが...).

これは 3 年制の方が合格率が低いという結果になり,3 年ではやはりトレーニングの期間が短いのでは?という印象を覚えざるを得ない.病理診断というのは経験,知識の蓄積という側面があり,ひらめきや手先の器用さは直接的には寄与しにくい.

2' 3 年制の受験者数が少ないことについて

もう一つ危惧すべきことについて,3 年制の受験者が 33 人であったとのこと.プログラム登録者数の全体像が手元に資料がないため,厳密な比較はできないけれども,毎年の受験者数(80-90 人)を考慮すると,病理 4 年目の先生のうち相当数(少なくとも半分以上)が今年受験できなかったことになる.これはとてもまずいことであり,3 年のプログラムでは受験資格を満たせませんと公式にアナウンスしているようなものである.

旧来の 4 年あるいは 5 年のトレーニングが必要だと考えている人が多くて,その傾向をなんとなく反映させたものなのだろう.これは病理を専攻に考えている考えている人にとっては negative な情報である.

3. 試験内容について
いわずもがなだが,molecular pathology の色濃さがだいぶ反映されてきた試験になっている.遺伝子変異あるいは免疫染色の抗体について問われた問題はざっとピックアップしただけでも

乏突起膠細胞腫 IDH, 1p/19q 共欠損
マントル細胞リンパ腫 cyclin D1
小リンパ球性リンパ腫  CD23
Kaposi 肉腫 Human herpes virus 8
類上皮肉腫 SMARCB1/INI1
網膜芽腫 Rb 遺伝子
孤在性線維性腫瘍 STAT6
滑膜肉腫 SS18-SSX

これだけ見られており,比較的軟部腫瘍が多い印象.やはり勉強するときは遺伝子変異をセットで勉強する必要がある.端的にいうと,良性腫瘍ですら(多形腺腫 PLAG1, HMGA2)遺伝子変異があるわけで,覚えることが多いように見えるが,上記出題された遺伝子変異はいずれも診断上極めて重要な変異であり無理をせずとも覚えることになろう.

4. 出題率の低かった問題
ココらへんは,大体疾患名を見れば検討がつくが,やはり頻度の低いものの正答率が悪いのはある意味当たり前.こればかりはしょうがない.満点を取る試験でもないので,別にできない問題があっても何ら不具合はない.

全体としては皮膚や骨軟部腫瘍の点数が低い傾向にある.

2017年11月3日金曜日

病理診断を学ぶ 〜 専門医試験受験

2022/01/01 掲載されている本について情報をアップデートしました.
同様に実質的におすすめできるような本はありません.ちゃんと書きます.

2021/05/05 掲載されている本について情報をアップデートしました.
 * 実質的にはあまり更新しておすすめできるような本はありません.

病理専門医試験を受験するに当たって最低限必要と思われる本を列挙していく.他のカテゴリーでも提示している本もあるけれども,あくまで専門医試験を受験するにあたって,使い方も含めた観点から記載している.

・I, II 型問題(法律などの問題は除く)に対する出題に対応した本
・過去問を研究することは大前提(ここでは敢えて言及しない)

外科病理学 (2020)
おすすめ度:★★★★★

・とりあえず現時点 (2020/05/19 執筆時点)で一番オススメができる本
・フルカラーになりかつ内容が新しくなったこの本は現時点で外科病理学の勉強をしようとする人全てにに対しておすすめ
・Ackerman/Rosai や Sternberg の日本語版という位置づけだけれども,内容的にもまずまず標準的で日本の実情に合わせた内容になっており使いやすい
・専門医試験直前で見直すのは難しいとは思うがそれでも写真がカラーであり頭に入ってきやすく,ざっとみなすのばベター
・病理を初めて間もない人は,まず分からないときに最初に読む日本語の本としてここからスタートして専門書に移動するとスムーズでそうやって慣れておいてから通読を目指すと良い

病理診断クイックリファレンス (2015)
おすすめ度:★★★★★

・数年以内に病理専門医試験を受験しようとする人はこの本にアクセス可能な状況(買うあるいは借りるあるいは病理検査室にある状態)にしておくこと.
・試験に出やすい(出しやすい)疾患の宝庫.この項目を選択した人が誰だかは知らないし,実際の出題にあたっては特にこの本からというわけではないのだろう.
・しかし「ちょっと難しいし,知らないとぱっとは診断できないけど,実地臨床で遭遇しうる」という疾患が集められており,試験のレベルと十分合致している.
・この本は病理と臨床という雑誌の増刊号であり,普通の本と違って原則的に版を重ねることはない.必要と思ったら早めに入手しておくこと.またこういう増刊号は定期的に出版されており,数年以内に必要なければ次まで待つのも1つ.


組織病理アトラス (2015)
カラーアトラス病理組織の見方と鑑別診断 (2020)
おすすめ度:★★★★★

・最低でもどちらか,可能であれば両方共通読すること.版は 1-2 版古いものでもかまわない.版が違うと写真も違ってくるので,複数の版を読み比べても良い.
・疾患概念が変わってくるものもあるけれども,それは病理専門医試験を受験するレベルの病理医であれば十分吸収して解釈できるはず(病理診断クイックレファレンスあたりで補正しておく).
・通読した上で,過去問に出題された疾患については,再度確認すべき.文章の説明はあまり読まなくても良い.写真で疾患が想起出来るレベルまで昇華させる.

病理医・臨床医のための 病理診断アトラス Vol.1 (2009)
病理医・臨床医のための 病理診断アトラス Vol.2 (2010)

おすすめ度:★★★

・なんとなく伝説となった?,彩の国さいたま病理セミナーをまとめた本(主催者が○になったから急遽中止になって終了したようだ).
・正直写真がいまいちで,説明もまぁまぁと言ったところ.受験生はこの本をみて,どういう疾患が出題されうるのかを研究すべき.出題予想疾患一覧みたいな位置付け.必要に応じてネットで画像検索をして補完する.
・まぁ値段が高いので借りるなどしても良い.多分試験が終わったら使うことはないだろうから.
・さすがに古くなってきている.

・癌取扱い規約
おすすめ度:★★★★★

・当然自分で買う必要はない.病理検査室に必ずあるはず.
・試驗前にぱらぱらと写真の部分だけを読み流していくと,非常に勉強になる.
・普段は該当項目だけしか熟読していないと思うが,全臓器を俯瞰して見ると,腫瘍に関しては一通りの知識の棚ができる.
・ちなみに峰先生から教えてもらったけど,精巣腫瘍取扱い規約ははじめの写真に誤植がある笑

病理診断を極める 60のクルー (2014)
おすすめ度:★★★☆☆

どどたん先生は一応通読したけど,まぁ便利といえば便利.受験業界的にはいわゆる「ヨコのつながり」の本.臓器別というよりも診断クルーをかなめにして臓器横断的に所見を読み解いていくタイプの本.かなり応用的な本なので初心者やあまり自信がない人は読まなくても良い.専門医試験に有用かといえばいまいち.ただ,こういう視点をもつことは実地臨床ではとても重要.時間がある人は読むと参考になることが多いと思う.

というかタイトルが良くない.もう少し難し目のタイトルを付けないと.たまにこの本を学生が間違えて買ってしまって,「これ読んでもわかりませ~ん」って言うはめになる.

読む・解く・学ぶ 細胞診Quiz50ベーシック (2014)
読む・解く・学ぶ 細胞診Quiz50アドバンス (2014)
ポケット細胞診アトラス (2013)
おすすめ度:★★★★★

・病理専門医試験には細胞診の問題も出題されることを忘れてはいけない.多くの病理医は細胞診をちゃんと見ていない.これは病理の研修医にも言えること.これを反映してか,病理専門医試験には細胞診の難しい問題は一切出てこない.
・対策するだけ無駄.ただ,多くの人は病理専門医を取得後に細胞診専門医も受験すると思われるので,せっかくの機会に体系的な勉強をするに越したことはない.
・そのなかで Quiz 50 は比較的簡単かつ薄いので読みやすい.病理出版業界で有名な清水先生と仲間たちの本ではあるけれども(正直出し過ぎな感はあるけれども),とてもいいところをついてくるので仕方ない..
・ポケット細胞診アトラスは分量は多いが,写真がとても綺麗で,この像を頭に叩き込んでおけば大抵は戦える(細胞診専門医試験においても戦える).

病理専門医試験を見据えた場合には細胞診の問題は決してコスパが良いとは言えないが,将来的なことを踏まえると,どちらかあるいは両方とも買っておいて損はない.




専門医試験の出題傾向 〜 男性生殖器・泌尿器編

# 病理専門医試験の出題傾向 〜 男性生殖器・泌尿器編

どどたん先生の onedrive を見てくださっていた人用に 2001-2017 年までの病理専門医試験で出題された疾患について,疾患名を修正して臓器分類とともに統一化していたものを公開していた.このデータを用いると,どういう疾患が出題される傾向にあるかが一目瞭然である.いやそうでもないかも.

・前立腺について
出題されるまず癌が含まれている割合が高いということ.ここでは掲示していないが,Gleason score を記載することが望まれている(割合については書かなくても良さそう).癌以外は良性病変で,granulomatous prostatitis はよく,膀胱癌に対する BCG 療法後に見られることがある.

・副睾丸について
副睾丸(精巣上体)としての出題はほとんどなく,adenomatoid tumor のわずか 1 題だけだが,adenomatoid tumor は他の臓器でも出題されうる比較的有名な疾患である.子宮腫瘍アトラスなどを参照して組織像は把握しておくと良い.

・精巣について
精巣はやはり germ cell tumor が一番多いが,lymphoma も少なからずある(亜分類は難しく malignant lymphoma と diffuse large cell lymphoma の 2 つに分けているが).良性は sperm granuloma のみ.精巣の germ cell tumor は mixed であることが多く,1つの組織型を見つけたら,他の組織型がないかは積極的に確認したほうが良い.教科書に書いてある spermatocytic seminoma はほとんど見ないので,これを出されると結構エグいなーと思う.

・膀胱について
Urothelial carcinoma で浸潤のあり,なしを含めての判定が望まれるよう.Inverted papilloma はよく出会う疾患なのだが,多分気をつけないと,invasive urothelial carcinoma と解答してしまうおそれがある.まためずらしいけれども,nephrogenic adenoma や paraganglioma (膀胱というよりも漿膜側)は膀胱に発生しうる腫瘍なので抑えておく.良性病変としては cytitis glandularis の病名は覚えておこう(尿細胞診で腺上皮が出てくるときは cystitis glandularis 由来だと言われている).Interstitial cytitis や malakoplakia は正直試験に出ても応えられる人はほとんどいないのではと思ってしまう.要するに捨て問題.


男性生殖器・泌尿器 出題数 平均点 最高点 最低点

前立腺 19 4.01 4.94 2.63
Adenocarcinoma 13 4.34 4.94 3.94
Basal cell hyperplasia 2 3.51 4.36 2.66
Duct carcinoma 1 3.31 3.31 3.31
Focal atrophy 1 3.06 3.06 3.06
Granulomatous prostatitis 1 2.63 2.63 2.63
Prostatitis 1 3.64 3.64 3.64

副睾丸 1 4.1 4.1 4.1
Adenomatoid tumor 1 4.1 4.1 4.1

精巣 20 3.54 5 1.93
Germ cell tumor, mixed type 5 3.53 3.82 2.7
Yolk sac tumor 5 4.2 4.69 3.75
Seminoma 3 3.7 5 1.93
Malignant lymphoma 2 3.17 3.7 2.64
Diffuse large cell lymphoma 1 2.51 2.51 2.51
Leydig cell tumor 1 2.69 2.69 2.69
Sertoli cell only syndrome 1 3.34 3.34 3.34
Sperm granuloma 1 2.95 2.95 2.95
Spermatocytic seminoma 1 3.14 3.14 3.14

膀胱 24 3.19 4.79 0.56
Urothelial carcinoma 4 3.04 3.45 2.26
Inverted papilloma 3 3.94 4.46 3.29
Carcinoma in situ 2 4.41 4.6 4.21
Cystitis glandularis 2 2.43 2.7 2.15
Nephrogenic adenoma 2 1.01 1.45 0.56
ALK 1 3.37 3.37 3.37
Carcinosarcoma 1 2 2 2
Granulomatous cystitis 1 4.09 4.09 4.09
Interstitial cystitis 1 1.01 1.01 1.01
Malakoplakia 1 2.9 2.9 2.9
Noninvasive urothelial carcinoma 1 3.03 3.03 3.03
Paraganglioma 1 2.31 2.31 2.31
Squamous cell carcinoma 1 4.79 4.79 4.79
Urachal carcinoma 1 4.61 4.61 4.61
Urothelial (Transitional cell)carcinoma,G3,with muscular invasion 1 4.47 4.47 4.47
Urothelial carcinoma in situ 1 4.28 4.28 4.28

専門医試験の出題傾向 〜 心血管編


# 病理専門医試験の出題傾向 〜 心血管編

どどたん先生の onedrive を見てくださっていた人用に 2001-2017 年までの病理専門医試験で出題された疾患について,疾患名を修正して臓器分類とともに統一化していたものを公開していた.このデータを用いると,どういう疾患が出題される傾向にあるかが一目瞭然である.いやそうでもないかも.

心血管については,そもそも外科病理の材料として提出されることがほとんどないので,出題もしにくいのではと思われる.


Amyloidosis, Cardiac myxoma, Infective endocarditis, Myocarditis, Cystic medial necrosis, Fabry disease, Hypertrophic cardiomyopathy, Temporal arteritis あたりは外科材料あるいは剖検例で比較的頻繁に登場するもので,流石に病気を知らない人はいないのではと思われる.もっとも心臓血管外科や循環器が active ではない病院も少なからずあるだろうが,教科書的にも有名であり鑑別診断も比較的迷いにくいので,実際に困ることは少ないだろう.


ただ,hypertrophic cardiomyopathy については剖検例も含めてなかなか典型例を見るのは難しいと思う.どどたん先生も本当に典型的な症例は1例だけであとは拡張相だったり,結局よくわからなかったりと,もやもやした例が多い.


残りの 1 例しか出ていない問題たちは,アトラスを軽くチェックするくらいで十分だと思われるが,これがどういう疾患なのかを背景も含めてある程度勉強すると知識アップに繋がる.肝細胞癌の心転移というかなりアクロバティックな出題もあったが,肝細胞癌は血管との親和性がよく,こういう転移様式もありうることを示している.また nonbacterial thrombotic endocarditis については腫瘍や重篤な感染症などで凝固能異常を来して起こるもので,原疾患というよりも成れの果ての状態の1つみたいなもので,たまに剖検例で見られる.と言った具体に1例の出題疾患でも実地臨床ではそれなりに意義のある問題がセレクトされている.




心血管 出題数 平均点 最高点 最低点
Amyloidosis 6 3.93 4.56 2.66
Cardiac myxoma 6 4.81 5 4.45
Infective endocarditis 4 4.15 4.76 2.88
Myocarditis 4 3.89 4.62 2.67
Cystic medial necrosis 3 4.4 4.6 4.28
Fabry disease 2 3.76 5 2.51
Hypertrophic cardiomyopathy 2 4.79 4.82 4.75
Temporal arteritis 2 3.67 4.98 2.35
Acute myocardial infarction 1 3.99 3.99 3.99
Allergic granulomatous angiitis 1 3.63 3.63 3.63
Congestive liver 1 3.83 3.83 3.83
Dilated cardiomyopathy 1 4.86 4.86 4.86
Endocardial cushion defect 1 3 3 3
Endomyocardial fibroelastosis 1 1.57 1.57 1.57
Fibrinous pericarditis 1 3.86 3.86 3.86
Marfan syndrome 1 4.71 4.71 4.71
Metastatic hepatocellular carcinoma 1 1.59 1.59 1.59
Nonbacterial thrombotic endocarditis 1 3.49 3.49 3.49
Papillary elastifibroma 1 3.1 3.1 3.1
Rhabdomyoma 1 1.03 1.03 1.03
Rheumatic myocarditis 1 3.28 3.28 3.28
Sarcoidosis 1 4.58 4.58 4.58
Thrombus 1 2.23 2.23 2.23
Unknown 1 1 1 1

2017年11月2日木曜日

病理専門医試験の出題傾向 〜 肺編

# 病理専門医試験の出題傾向 〜 肺

どどたん先生の onedrive を見てくださっていた人用に 2001-2017 年までの病理専門医試験で出題された疾患について,疾患名を修正して臓器分類とともに統一化していたものを公開していた.このデータを用いると,どういう疾患が出題される傾向にあるかが一目瞭然である.
肺も腫瘍,非腫瘍いずれも出題されているが,結構幅広く出題されている.Cryptococcus の出題数が多いのは意外だが,感染症は結構出やすい.Solitary fibrous tumor については,NAB2-STAT6 の融合遺伝子を検出するのが今のところ,一番の王道だけど,HE 染色だけで判定しようとするとかなり典型的な所見を提示しないといけない.Sclerosing penumocytoma (以前は sclerosing hemangioma)もそう.

出題数がすくないのもあるけれど,重複癌だったり A + B みたいな提示もあるので,一応落ち葉拾いをしたほうが良い.あと稀なものについてはあまり学習する意義は少なそう.Tumorlet や meningothelial nodule あたりは知っておくと結構便利.



回答数 平均点 最高点 最低点
Cryptococcosis 9 2.89 4.74 0.64
Sclerosing pneumocytoma 7 4.18 4.69 3.58
Solitary fibrous tumor 5 3.78 4.47 2.44
Chondroid hamartoma 4 4.77 4.9 4.48
Sarcoidosis 4 3.79 4.4 3.33
Adenosquamous carcinoma 3 3.86 4.26 3.59
Hypersensitivity pneumonia 3 3.8 4.36 2.7
Large cell neuroendocrine carcinoma 3 3.33 3.68 3.09
MALT lymphoma 3 3.1 3.6 2.44
Neuroendocrine tumor 3 1.74 2.33 1.23
Pulmonary hypertension 3 3.76 4.25 3.26
Small cell carcinoma 3 3.95 4.64 3.46
Tumorlet 3 3.02 3.69 2.4
Adenocarcinoma 2 3.91 4.21 3.61
Adenoid cystic carcinoma 2 4.75 4.77 4.73
Amyloidosis 2 2.12 2.3 1.94
Asbestosis 2 2.66 4.25 1.06
Atypical adenomatous hyperplasia 2 3.89 4.24 3.54
Diffuse alveolar damage 2 4.06 4.52 3.6
Dirofilariasis 2 3.67 4.25 3.09
Epithelioid hemangioendothelioma 2 0.68 0.79 0.56
Langerhans cell histiocytosis 2 3.5 3.81 3.18
Mucoepidermoid carcinoma 2 3.08 3.24 2.91
Pleomorphic carcinoma 2 2.62 3.02 2.22
Pneumocystis jirovecii infection 2 2.87 4.05 1.69
Pulmonary proteinosis 2 1.85 1.98 1.71
Pulmonary sequestration 2 2.7 3.75 1.64
Wegener's granulomatosis 2 4.07 4.37 3.77
Actinomycosis 1 0.9 0.9 0.9
Allergic bronchopulmonary aspergillosis 1 2.63 2.63 2.63
Amniotic fluid embolism 1 3.9 3.9 3.9
Aspergillosis 1 4.6 4.6 4.6
Aspergillosis + squamous cell carcinoma 1 3.61 3.61 3.61
Asthma 1 3.72 3.72 3.72
Bronchioloalveolar carcinoma 1 3.37 3.37 3.37
Carcinomatous lymphangiosis 1 4.17 4.17 4.17
Carcinosarcoma 1 2.8 2.8 2.8
Chemodectoma 1 1.74 1.74 1.74
CMV+Pneumocystis jirovecii 1 4.55 4.55 4.55
Coccidiomycosis 1 0.78 0.78 0.78
Congenital cystic adenomatoid malformation 1 4.43 4.43 4.43
Epithelioid malignant mesothelioma 1 4.57 4.57 4.57
Heart 1 4.3 4.3 4.3
Histoplasma capsulatum 1 1.8 1.8 1.8
Inflammatory pseudotumor 1 1.87 1.87 1.87
Invasive mucinous carcinoma 1 2.43 2.43 2.43
Low grade fetal adenocarcinoma 1 3.66 3.66 3.66
lymphangioleiomyomatosis 1 3.26 3.26 3.26
Lymphangiomyomatosis 1 1.6 1.6 1.6
Malignant melanoma 1 3.84 3.84 3.84
Metastatic adenocarcinoma 1 3.6 3.6 3.6
Metastatic carcinoma 1 3.86 3.86 3.86
Minute meningothelial nodule 1 4.01 4.01 4.01
Mixed carcinoma (small cell carcinoma + adenocarcinoma) 1 2.91 2.91 2.91
Mucinous adenocarcinoma 1 3.91 3.91 3.91
Mucor infection 1 2.11 2.11 2.11
Organizing pneumonia 1 1.34 1.34 1.34
Pleural plaque 1 2.54 2.54 2.54
Plexiform lesion of pulmonary artery 1 2.44 2.44 2.44
Primary pulmonary hypertension 1 2.54 2.54 2.54
Pulmonary Aspergillosis 1 4.8 4.8 4.8
Pulmonary blastoma 1 2.97 2.97 2.97
Pulmonary infarction 1 1 1 1
Pulmonary thrombosis of bone marrow 1 3.9 3.9 3.9
S2 segment 1 3.5 3.5 3.5
Small cell carcinoma + adenocarcinoma 1 3.22 3.22 3.22
Tuberculosis 1 4.71 4.71 4.71
Usual interstitial pneumonia 1 4.72 4.72 4.72

2017年11月1日水曜日

病理専門医試験の出題傾向 〜 乳腺編

# 病理専門医試験の出題傾向 〜 乳腺

どどたん先生の onedrive を見てくださっていた人用に 2001-2017 年までの病理専門医試験で出題された疾患について,疾患名を修正して臓器分類とともに統一化していたものを公開していた.このデータを用いると,どういう疾患が出題される傾向にあるかが一目瞭然である.

乳腺については,診断名がばらつく傾向にある.部位についても若干記載にばらつきがあって,わかりにくい.その中で,Paget disease, ductal carcinoma 辺りは鉄板で,adenoma of the nipple は実際に症例を見る頻度は低いものの,有名だからか,出題頻度は高い.

Invasive lobular carcinoma はよくあるものであるが,実際に試験で出されてきちんと答えられるか,これが意外と難しい.Adenomyoepithelioma, Metaplastic carcinoma, Tubular carcinoma 辺りは見たことない人も少なからずいるはず.Secretory carcinoma は最近唾液腺で analogue の癌がちらほらケースレポートで出始めたので知っている人もいるはず.Phyllodes は過去問では良悪性の判定まで求められることが多いようである(何も記載のない phyllodes tumor は模範解答に良悪性の記載がない).

Radiation therapy は恐らく,泡沫状細胞浸潤やヘモジデリン沈着を見せて,何をしたのかを答えさせる問題なのであろう.

乳腺では実際には良性の病変に遭遇する機会も多く,その分,試験にも良性病変が多く出題されている.部分点を狙いに行くのであれば,取り敢えず悪性でないことを前提として benign とか,mastopathic change とか,毒にも薬にもならない事を言えば良い.あまり当てに行くとやけどする可能性があるので,要注意.



乳腺 回答数 平均点 最高点 最低点
Adenoma of the nipple 5 4.2 4.67 3.95
Adenomyoepithelioma 2 2.23 2.41 2.04
Adenosis 1 4.62 4.62 4.62
Apocrine carcinoma 2 3.7 4.55 2.84
Benign 1 3.5 3.5 3.5
Ductal carcinoma in situ 6 3.61 4.33 2.44
Ductal carcinoma with neuroendocrine differentiation 1 2.99 2.99 2.99
Ductal hyperplasia 1 3.01 3.01 3.01
Ectopic mammary gland 1 2.8 2.8 2.8
Fibroadenoma 4 3.82 4.64 2.62
Fibrous disease of the breast 1 2.34 2.34 2.34
Granulomatous mastitis 2 3.27 3.6 2.93
Hamartoma 1 1.33 1.33 1.33
Her2 score 2 3.2 4.89 1.5
Intracystic papilloma 1 4.72 4.72 4.72
Intraductal papilloma 2 3.92 4.43 3.4
Invasive ductal carcinoma 3 4.42 4.86 3.95
Invasive lobular carcinoma 9 4.17 4.79 2.99
Invasive micropapillary carcinoma 2 3.97 4.22 3.72
Lactating adenoma 1 3.21 3.21 3.21
Lobular carcinoma 2 4.27 4.56 3.98
Margin; positive 1 3.87 3.87 3.87
Mastitis 1 3.69 3.69 3.69
Mastopathy 4 3.27 3.86 2.8
Medullary carcinoma 2 4.52 4.83 4.21
Metaplastic carcinoma 1 3.34 3.34 3.34
Mucinous carcinoma 2 3.68 4.99 2.36
Paget disease 3 4.67 4.99 4.35
Phyllodes tumor 3 4.02 4.53 3.59
Phyllodes tumor, benign 3 3.9 4.48 3.33
Phyllodes tumor, malignant 3 4.42 4.71 4.19
Radiation therapy 1 1.44 1.44 1.44
Sclerosing adenosis 2 3.45 3.56 3.33
Secretory carcinoma 1 0.94 0.94 0.94
Tubular adenoma 1 3.35 3.35 3.35
Tubular carcinoma 1 3.66 3.66 3.66

15 年目の悲劇

# 卒後は 17 年目,病理は 15 年目 自分は 2009 年に大学を卒業しているので,2026 年 4/1 現在だと,卒後 17 年目になる.卒後 15 年目のとか,20 年目の,みたいなタイトルの本を見るが,その節目を超えてさらなる大台に突入してしまった感じはある. 初期研...