2017/07/03 1st edition.
2017/9/14 Last updated.
○ Gleason score は 3, 4, 5 のみで判定
・Gleason grade は 1-5 まであるが,1,2 は基本的に基本的に専門家以外はつけない暗黙の了解(たまに講演会で Gleason score 2 とされるものをみるがかなり例外的な扱い)
・3 = well differentiated, 4 = moderately differentiated, 5 = poorly differentiated に相当する
・大まかに言うと
Gleason score 3 1 個の腺管が全周性に線を引いて追える
Gleason score 4 癒合腺管,篩状腺管,hypernephroid, 不明瞭な腺腔形成(≒ 癒合腺管)
Gleason score 5 充実性増殖,索状配列,孤在性増殖,面疱壊死(≒ 腺腔形成の見られないもの+腺管内に凝固壊死の見られるもの → 面疱壊死という.意外とこれを 5 に分類しわすれることがある)
* 細胞質内の空胞は腺腔形成とはしない(充実性増殖巣に細胞質内の空胞が見られていても腺腔形成とはせずよって Gleason score 5 になる)
○ 所見記載すべきこと
・採取された部位ごと(右 1 番,右 2 番は別)に記載
・1 番多い成分+ 2 番目に多い成分を記載し合計する(例:5 が 1 番,4 が 2 番 = Gleason score 5 + 4 = 9).細かい規定があるので詳しくは規約を参照
・腫瘍の長さ and/or 全体の column にしめる割合(60% などと記載)
・Overall score を計算.Total の Gleason score を記載することを求められている(がどどんぱ先生は面倒なのであんまり,,,)
これは Gleason score 3 + 4 = 7 と 4 + 3 = 7 では予後が違う,という主張が根拠
・生検検体中に腺管がないことは指摘:前立腺組織が含まれていないとそもそも評価したことにならないので所見として記載
○ 小さい病変の見つけ方
・数個程度の腺癌を見つけるのは難しいが,実際の診断ではそのような小さな腫瘍腺管を見つけることも要求される
・小さい腺癌は小さいながらも独自の集まりを形成しており,弱拡大で見ると背景の腺管とは気色が違う病変として認識される(なんとなく集まっている感じ)
・何度も言うが細胞異型に注目しすぎるとわからなくなってくる
・数個の腺管程度で腺癌と確定するのはなかなか勇気がいるので,その場合は免疫染色で裏を取る
○ 免疫染色は参考程度に
・前立腺癌で頻用される免疫染色は p63, 34βE12, P504S (AMACR) の 3 つ
・筋上皮マーカー p63 は核,34βE12 は細胞質に陽性になり,前立腺癌では二相性が消失するため陰性となる.p63 と 34βE12 は相補的で両方染めるとわかりやすいのでカクテル抗体(p63 + 34βE12)を用いる施設も
・P504S (AMACR) 前立腺癌の細胞質に陽性となる
・結論:p63, 34βE12 陰性で,P504S 陽性であれば前立腺癌.部分的に所見が異なる場合は atypical glands に留める(P504S は染まらないことはたまーにあるかな)
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