2017/05/27 1st edition.
2017/12/25 Last updated.
○ 病理診断は異常所見と正常所見を行ったり来たり・正常な組織学について知らないことには,異常についてはわからない
・異常がわからないことにも正常がわからない
・異常所見と正常所見を行ったり来たりしながら勉強することになる
・このマニュアルには写真がないので,正常組織アトラスを片手に読むこと
○ 食道粘膜の構造
・食道壁の構造は他の消化管と同じく,内腔側から粘膜固有層,粘膜筋板,粘膜下層,固有筋層,外膜
・食道は縦隔の中にあるため,他の消化管と異なり,漿膜がないのが特徴
・膜の構造物はないのだが,固有筋層よりも外側を表現する名前がないので,外膜としている
→ Point 「粘膜固有層,粘膜筋板,粘膜下層,固有筋層,外膜」
○ 消化管粘膜の構造の比較的簡単な覚え方
・なぜこんなことを言うかというかと,どどたん先生は病理専攻し始めて 1 年くらいは消化管の構造を覚えれられなかった.こういう用語的なものはさっさと覚えたほうが後々うまくいく
・「肉眼的に見える」のは上皮を含む粘膜固有層と固有筋層で,まずこの2つを覚える
・粘膜筋板は粘膜固有層の直下にある薄い平滑筋からなる構造物で,肉眼的には見えない
・粘膜下層は粘膜固有層と固有筋層の間にある疎な結合組織で,神経や血管が入っていく
→ 蠕動運動をうまく行うためにはこういう遊びが必要
・手術検体を触ってみると粘膜下層のために,ずるずるとずれるような感じがする
・比較的どうでもいいこと:固有筋層は食道の上部側と下部側で,それぞれ骨格筋,平滑筋と異なっているが,生検では通常固有筋層は採取されいないのであまり関係ない
○ 食道粘膜扁平上皮は同じ扁平上皮でも皮膚と同じで違う
・食道粘膜は他の消化管と違って粘膜固有層の上皮は扁平上皮からなっている
・しかし皮膚の扁平上皮とは異なり,通常「角化もしないし,顆粒層もない」のでこれらが出てくると異常ということになる
・あと少量だが,メラノサイトも含まれており,悪性黒色腫の発生母地になったりもする
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