2024年6月6日木曜日

病理診断のスタンスの変化

 # 仕事終わりの 22:30

バドミントンが終わって,仕事の(病院業務ではない)メールを返し終えて,ガストで一息つきながら,臨床細胞学会に行こうか行くまいか悩み中のところ.もう前日まで差し掛かっているのにね.

病理診断の専攻医の先生たちにそこそこ読んでもらっているようだが,最近は病理診断自体に対して興味が尽きたのか?笑あまりネタとして投稿することは少ない.専攻医の先生たちとの interaction を通してブログや記事のネタを書いていたというのもあって,今は専攻医の先生の指導から離れており,それも記事を更新するというモチベーションが少なくなった理由かもしれない.

# 病理診断のトレンドの変化

病理診断にもトレンドの変化はある.自分は卒後 15 年以上経ってしまった.未だにわからないことや誤診をすることもちょこちょこあり,良く言えば進歩なのかもしれないが,15 年もやってそれかよ,と言われそうで怖い.さすがに他の診療科に転科する気力はないので今の状況で定年まで惰性で続けるしかないのだが.

さて,前置きが長くなったが,病理診断のトレンドの変化について概説してみようかしらね.

  • 「病理解剖→手術材料診断→生検診断」
  • 「免疫染色,FISH, PCR → CDx → CGP, methylation profile etc」
  • 「3 段階分類 → 2 段階分類」
  • 「良悪性 → 境界悪性・リスク分類」
  • 「形態ベースの疾患単位 → 遺伝子変異ベースの疾患単位」
書こうと思ったけど,手も疲れて眠くなってきたので,とりあえずトピックだけ書いておこう.他にあるかしらね.病理診断が進化するのはしょうがないというかそういうもんなんだけど,自分がいつまで追いついけるのかだんだん自信がなくなってくるよね.






2024年5月15日水曜日

カンボジアの病理診断(終わりの始まり編 2)

 # 続きの話

カンボジアに到着した翌日に,懇意にしていただいている,とある日系の病院に見学をさせてもらって色々とお話をしたところ,前回ブログに書いたようなことはだいたいあっていたみたい.でもこれを改善するのはなかなか難しい,というか個人で改善するとかそういうレベルではない.

# マクロ図の作成

分かる人には分かってもらえるカンボジア病理あるあるの一つに,写真撮影あまりしない・マクロの切り出し図を作らないというのがある.すべての病院・検査センターで確認した訳では無いが,これは面倒を見ていた検査センターだけではなく多分カンボジアの病理一般に言えるのではないか?という気がする.彼ら,彼女らが研修に行った国は恐らくどこでもマクロ写真に線を入れて切り出しをしていたはずのように思う.写真だけ撮って(あるいは写真すら撮らずに)組織像だけで判断するのはとても危険なことであると,何度言ったことか.

なぜ彼らがマクロ図の作成をこれほどまでに拒むのかよくわかない.一つ言えるのはきちんとしたシステムを作らない限り結構面倒な作業で,さらにはぱっと目に見える結果に対するインパクトが弱い.切り出し図がなくてもある程度は憶測で診断できてしまう.しかも切り出しをした本人であれば,切り出し直後はある程度覚えているはずだろうから何ら問題はない.でも数ヶ月後,半年後に覚えていますか?と言いたくなる(実際何度も言った).

# この環境下で自分にできることとは

もっと厳密に言うと,そもそも自分がする必要があることなのか,というかなり根本的な疑問に突き当たる.個人でできることなんてたかが知れているし,全体に対するインパクトを残すことは難しい.本来はチームあるいはもっと大きな規模で取り組んでようやく結果が出せるか否か,ということになる.まぁせっかく関わりだしたんだし,というすごくゆるいモチベーションであることは認める.

前回の投稿でカンボジアには病理診断は不要,ということを言ったが,それは病理診断の前に解決巣べきことが山積みでそれらを無視あるいは軽視して病理診断の向上を図っても,インパクトが弱いあるいは空回りをするだけのように見えるからである.これで飯を食っている側からすると,必要に決まっているでしょ!とすごく言いたいのだが,彼らの目前のニーズを満たした上でさらに,という話になる.アウトリーチもぱっと病理診断の話をするのではなく,数段階に掘り下げた形で行わないと多分意味がない.自分にできることはとりあえずはなさそう,という否定的な印象.

# 最高水準の病院を作り上げること

今回,見て回った中で,カルメット病院は他の病院と違ってかなり近代的な建物ですごく良さそうに見えた(多分中身も充実しているものと期待したい).他の病院は,,,,悪くはないのだが少し厳しい印象.

日系の某先生曰く(かつ自分の見聞きした経験からも)クメール・ルージュ前後を生き抜いた人たちのカンボジアの医療に対する不信感は非常に根強い.実際自分が 5 年前にタイ経由で訪れた時に隣りに座っていたカンボジア人の老婦人と少し話をしたのだが,彼女は高血圧と糖尿病の経過観察のために定期的にタイに行っていると,しかも飛行機で.自分からしたらそんなのどこで経過を見ても変わらないでしょと思ったのだが,その後色々経験する中でカンボジアの医療は信用されていないことがわかった.病理診断も同じくで保健省の某幹部は「カンボジア国内での病理診断の信頼性が低いため,検体が海外に流出することを黙認せざるを得ない」と言っていたとか.確かに 2019 年時点は質が高いとは言い難かった.でも 2024 年の今は違う!昔と違う!確実に良くなって来ていてかなり高い水準にある!と声を上げて言いたいのだが,多分誰も聞いてくれない.

何でもそうだけど,質を評価するには評価する側にもある程度の素養が求められる.素養がない中での高評価はただの盲信である.日本製だからいいに違いないとかね.そして,もう一つ,日本の質と同等だと認めてもらうためには,日本の質を超える必要がある.同等では決して認めてもらえなくて,日本の質を超える非常に高い品質を打ち出せて初めてその価値を認められる.それまではただの劣化コピーという認識でしかない.

タイやベトナムに流出してしまう人たちをもとに戻すためには,一つでもいいからカンボジア国内で世界と同等の最高水準の病院を作って,そこをフラグシップモデルとして確立し,いわゆる富裕層の人たちが「カンボジア国内でここの病院で治療を受けて駄目なら諦められる」と思えるような状況を作り出すこと.もちろん貧しい人たちは受診できないかもしれない.でもそうやって最高水準の病院が要となって医療水準全体の引き上げに貢献する.その際に病理診断のパートとして,自分はその最高水準を提供するための少なくとも人的リソースとして提供する準備はできているのだが,恐らく声をかかることはなさそうだろうな.自分は好き勝手にやりたがるから.

そして最高水準の病院であるためには,カンボジア国内から何かしら世界に対して something new を出す必要がある.先ほども言ったが,悲しい現実として,同等はただの劣化コピーとみなされる.競合を超えるあるいは違う新しい価値を提供したときに初めて同等以上の存在としてみなされる.同等というのはお互いが切磋琢磨して拮抗している状況で初めて認識されるもので,「追いついた」状態ではない.

# Think globally, act locally

非常に有名な話で,確か地球環境問題が origin だったような記憶だが,結局何でもそうと言える.仮に検査センターのラインが潰れたとしても,他のラインはないのか,どこかに解決の糸口が見つかるのでは?個人でやっている以上はある意味完全に自由なわけで,それを常に考えているところ.

論理的に考えて見つからない解決方法も時間が経てば向こうからやってくる可能性もある.来たるべきチャンスを確実に逃さないために,情報収集と準備は常に怠らないこと.とりあえずは表面的に終わりになりそうだが,いわゆる commencement で終わりの先には新しい何かが始まるはず,である.

# ついでに

自分はカンボジアで自分のことを話をするにあたって,日本の病理医(日本での病理専門医,細胞診専門医,分子病理専門医)であることを比較的強調をしている.それはカンボジア人に対してもだし,カンボジアで働いている日本人に対してもである.特にカンボジアで働いている日本の臨床医に対しては,某有名病院でも勤務していることをちらつかせながら(安い給料で働いている分を取り戻すために?),こんなすごいところで働いている自分はとても優秀な病理医なんですよ!ということを暗に示し泊をつけている.

はっきり言って,同業者に対してこんなことをしてもただのナンセンスなのだが,カンボジア人や日本の臨床医には自分の実力がどうかなんてはっきり言ってわからないわけで,結局盲信的ではあるが,専門医だったり日本で仕事しているといった周辺的な情報で判断せざるを得ない.こういう売り方はあまり好きではないのだが,目的を達成するためには多少の味付けも許容されよう.そして多分しばらく一緒に仕事をしてもらえると,ちゃんと中身を伴っているのだということが次第に理解される.

某有名病院での勤務とか分子病理専門医とかマジでいらねーと思っていたが,今になって体外的な泊をつけるためには確かに必要なのかなとも思ってきた.だからといって維持したいかと言われると微妙だけどね.

2024年5月13日月曜日

カンボジアの病理診断(終わりの始まり編)

 # 終わりなんてものはそもそもないが,,,

ひょんなことから自分のカンボジア病理診断の個人的な支援が終わり近付こうとしている.これが本当に終わりになるかどうかは自分にも(誰にもわからないし)もしかしたら新しい形で違う取り組みが始まるかもしれない.いずれにせよ,これまでのような支援の形は一度終わりにするということ.

今回はわずか滞在2日間という強行スケジュールで来てみて,最初から最後まで自力で旅行を終えようという試み.もしさらに言いたいことがあれば違う記事で追加するかも.

はじめに言っておくけど,今回は病理診断に関する話題はほとんど出ません.

# 羽田空港から北京空港,プノンペン空港まで

今回は中国国際航空を trip.com でチケットを発券.決して評判がすごくいい組み合わせではないのだが,チケットが非常に安くてこれならいいかなと思ってポチってしまった.チェックインが 36 時間前ということで羽田→北京行きは簡単にチェックインできただが,北京→プノンペン行きはチェックインできなかった.普通乗り継ぎ便の場合は一緒にできることが多いが,中国国際航空はチェックイン時刻がそれぞれ違うらしい.

結局,羽田→北京だけしたのだが,そのあと時間が来て北京→プノンペンのチェックインをしようとしてもエラーが出て全然進めなかった.10 回くらい時間をおいて試したがだめで結局諦めて空港でチェックインすることにした.

というわけで,チェックインのためにかなり早めに空港についたのだが,案の定チェックインカウンターは空いておらず,機械でもできない仕様のよう.こればかりはしょうがないので,時間を潰して待ってチェックイン.それからぶらぶら散歩やアイスを食べながら待って制限エリア内へ.

機内は普通で可もなく不可もなく.ただ,羽田→北京便なのに日本語が全く通じないのはちょっと不満.しかも自分の見た目が中国人と大差ないせいか中国語で聞いてこられるけど,当然返答できないため??となる.まあ聞かれることなんてビーフかポークかチキンかフィッシュかと飲み物くらいだからなんとかなるんだけどね.

うとうとして本を読んでいたら,北京へ到着.北京首都空港は広いけど,閑散としている.最近あたらしい空港に大半の飛行機が移ったみたいで?人通りも少ないし,お店もちょこちょこ閉まっている.大丈夫か?とちょっと思ってしまうけど,まぁ心配するほどのことでもないでしょう.トランジットまで暇だからベンチで寝転がっていると,なんか中国語で何やらアナウンスがあって,よく聞き取れないけど E58 という自分の搭乗ゲートの番号だった.しかも二回アナウンスされているので,いやーまだ搭乗時刻の 20 分前なはずなんだけどなぁと思い行くと普通に搭乗が終わろうとしていたわ.乗り遅れて北京で一晩過ごすのもどうしようもないので,とりあえずよかった.

# プノンペン空港からホテルへ

プノンペン行きの機内は特に大きな問題はなく,比較的空いていた.着陸してから以前ダウンロードしてアクティベートしていた grab を試しに使ってみようと配車ボタンを押したら本当に配車されてしまった.まだ機内にいるのに,あと 5 分で到着とか無理ゲーでしょと.

慌てて待ってもらうかキャンセルするかできるかと聞いたが返事がなく,うーんどうしようと思っていた.ビザは以前取得した 3 年マルチプルがまだ有効で,入国や税関の申告書はすでに書き終えているので,プノンペン空港の小ささからすると入国審査も含めて全力で走ればなんとか行けなくもない距離.しかもなぜか荷物が最優先で降ろされており(あるいはもしかしたら自分は後ろの方だったか?),荷物のピックアップもスムーズで,結局 5 - 6 分程度で grab の meeting point に到着することができた.

とはいえ,ドライバーのお兄さんは自分を探すために出歩いたり,クソ重たい荷物を持ってくれたりもしたので,最後に少しチップを弾んでおいた.ホテルについたのは結局飛行機から降りて 30 分程度という,無駄に爆速で,シャワーを浴びて速攻寝た.

# プノンペン市内を散歩

機内でまあまあ寝ていたのでそんなに眠くもなく,プノンペン市内を散歩しながらどうしようかなと考えていた.今までは送迎から食事の手配まですべてやってもらっていたので,全然気づかなかったが,いざ自分で歩いてみるといろいろなことがわかった.残念なこともわかった.

  • 誰も歩かない:基本車かバイクでの移動が前提になっていて歩道があまり整備されていないし,横断歩道も飾りだけ.歩いて移動している人は自分以外に一人しか見つけられなかった.そして車も交通ルールを遵守するという感覚が乏しく,隙あらば赤でも突っ込め!みたいなのが多い
  • 薬局が異様に多い:クリニックはそこそこあるが,それ以上に薬局が非常に多い.恐らくカンボジアの人たちは具合が悪くなると病院に行くのではなくまず薬局に行くのだろう.それでもだめなら病院に行くという感じなのだろう
  • 生活水準のアンバランスさ:薬局の人が朝に洗濯板で洗濯物を洗っていた.多分そこの薬局で売っている薬を買えるような水準であれば洗濯機を余裕で購入できるはずである.スマホもそうだけどあるものは最先端で高価,あるものは廉価あるいは古い物を使うなど,生活水準のバランスの悪さが目立つ
  • 目立つもの好き:これは今朝見て気づいたというよりも以前からだが,家や車,あとコスメなど表面的なものを好む傾向がある.レクサスの販売代理店?のようなものを 2 件見つけた
この事実から推測できることとして,今後高齢者が増える状況の中で,心血管イベントが確実に増える.現在は食事もそこまで栄養価の高いものがあるわけではないので,ぱっと見の肥満者は多くはないが,今後は経済成長とともに摂取カロリーも確実に増えるし,このような生活習慣をしていると確実に心血管イベントが増える(そうでなくても高齢化という点で増えるけど).あとは高齢化の中で担癌患者も確実に増えるだろう.その時に薬局の存在が早期癌の発見を遅らせる大きな要因となる.

そもそも薬局が多いのは昔の人口は若く,多くは急性期の疾患で安静にしていれば治るものが多かったということなのだろう.対症療法や感染症治療薬くらいであれば(本当は「くらい」では決してないのだが),薬局でなんとかなっていたのだろう.でも人口構成,社会的な要因の変化及び市民の要求水準が高まるに従い,なんとかならなくなる時期が来そうだ.そう遠くない未来に.

病院という存在は一般市民からするとなるべくお世話になりたくない,生活の中心からすると端っこの位置している.もちろん,病気になればその端っこが一気に中心にやってくるのだが.病理診断も同じで,普段は病院業務の中で端っこに位置しているがいざとなれば主役になる.

今自分がやっていることは端っこの端っこ(一体どこ?笑)の仕事であって,カンボジア国内では正直自分が活動をして大きく貢献できるかと言われると厳しい.他の優先度を考慮すると現在のカンボジア国内には病理診断は別になくてもいいんじゃないか?という極論すら実は完全に否定することは難しい.

今後どのように関わっていくかは難しいが,チャンスがあれば病理診断以外の別の専門領域を持って対峙するなどが必要かもしれない(あくまで現時点での考えだが).

2024年3月17日日曜日

病理医としてのキャリアパス:中間点

# 次はいずこへ

どどたんせんせはいわゆる around 40 で,この職場で留まるべきか次にどこかに行くべきかをそろそろ悩まなくてはいけない感じなっている.ある程度 public なこういうブログで書くべきかは悩ましい感じもするが,ごく普通の人の普通のキャリアパスについての具体例があってもいいかなと思っている.

初期研修が終わってから大学病院を転々として,その間に学位を取らずにのほほんとしてきているが,流石にそれはまずい?ということで大学院に入りおなして,学位を取ろうとしているところ.正直言って学位に興味があるわけでもないのだが,ここまでやっておいて取らないというのも変な話なので一応終わりに向けた活動に舵を切ろうと考えているところ.

# モラトリアム

大学の中では多分学位を取らずにいるということはモラトリアムに近いとも言える.まあ診断業務+他の雑務が忙しければモラトリアムどころじゃないかもしれないけど,アカデミックに上にいかなければ免除されている雑務も少なくない.上に行ったところで大学だと給料の上昇もたかが知れているので,昇進をするモチベーションはあまりないというのが正直なところ.

よってある程度合理的な範疇でモラトリアムを謳歌しているところで,でも多分それもそろそろ終わりにしないといけない.

# 晩年助教は迷惑?

最近切に感じることとして,歳を取った状態で昇進せずにとどまり続けるのは他の先生に対して迷惑なのでは?と感じている.他に昇進する要件を満たしている先生がいるけど,自分がいる中で昇進をするとバランスが悪くなる.大学は診断能力ではなく,研究実績で昇進するところなので後者がなければいくら診断ができても昇進はできない.当然のことではある.

なので,ある程度実績を積んで自分自身が昇進していく他はないのだろうな,という感じで,そうでなければ去るのが他の人にとっても良いのだろうという結論.

ちなみに筆頭は少ないけれども,大学病院にいる特権?でなぜだが共著はそこそこある.全く知らないわけではないけど,アドバイスやコメントをしたものがいつの間にか論文になっている.

# 他の人達の就職先

気になるのが同年代で他の病理医はどういうところに就職しているのかということ.サンプル数は多くないし,バイアスだらけだけれども,大体の先生は市中病院に就職し一人あるいは複数人の病理医として活躍している.

話を聞いていると,結構それはそれで大変そうだが,あまり悪くはなさそう.自分は市中病院で部長をできなくはないだろうけど,自由度が低くなりそうな気配はある.基本的にやっていること自体はどこであっても大きくは変わらない.

# 自分の思う市中病院での働き方

管理職になるのか,一スタッフとして働くのかによるけど,組織診が年間 4000 - 5000 件程度の「ごく普通の」病院だと,多分半日で仕事を終えて,外来やってみたりとかエコーやったりとか変なことをしてそうな自信はあるな.多分スタッフははらはらどきどきするだろう.

2023年12月31日日曜日

カンボジアでの病理診断 2023

# 今年の総括

今年はカンボジアの病理診断界隈で個人的には大きな動きはなかったように思う.とはいえ,着実に一歩一歩良くなっている最中ではあるのと,経過をどこかで記録しないと多分埋もれてしまうような気がして備忘録も兼ねて記載している.

# 検査センター周りの環境

自分の指導をしている検査センターの指導は現在に至るまで続いていて,コンサルテーションもだいたい週に 1-2 例くらいの割合で今も受け続けている.コンサルテーションの内容はもっぱら確認の要素や箔をつけるような感じで,大幅に書き直すことは殆どなくなった.診断が異なることはたまにあるけど,そのほとんどが見解の違い程度の些細な違いと言える.中には見立てが大きく異なるものもなくはない.ただ,他のコンサルテーション症例と併せて考えると,全体的な診断能力は確実に高くなっている.多分数年以内には自分と診断能力的にはほぼ同程度になると予想している.

上記の通り,診断内容に関してはある程度満足の行く状況になったことから,次第に診断周辺について手を出し始めた.本来は,標本作製や標本管理は検査としては根幹をなす重要な要素ではあるのだが,実際に検査センターとして運営している以上顧客に対して目のつくところを何とかするのが先.その上でじゃあ取り組もうかという話になる.

そして,標本作製は外勤先の技師の協力を得てなんとか改善する目処が立ったし,検体のマクロ写真をすべて撮影するという目的もかなった.切り出し図をすべて作製するというのはまだ到達できていないが,この問題も近いうちになんとかしたいところ.診断入力システムのバグというか雑な管理は自分がだいぶ吠えたが,紆余曲折を経てようやく満足の行くシステムになってきた.正直こんなことをしなくても別に業務自体は回るし,臓器の分類が狂っていても最終的な報告書には関係ないのであまりコストパフォーマンスはよろしくないかもしれない.でも,これは「精度管理のできているきちんとした検査センターであるため」には避けて通れない道と考えている.

# 某 NGO の先生からのコメントで印象に残ったこと

某 NGO に検体取扱いについて講演に行ったときのこと.若い先生なのにすごくしっかりしているとか,いくつかお褒めの言葉を頂いたが,それよりも依頼した当初よりも診断の文面が少し良くなった気がする,というコメントが一番自分的には刺さった.

邪推するとこれの意味するところは「当初から診断の品質はあまり変わっていない」と解釈でき,そして正直 HE 染色での診断の限界に近いところで仕事をしている.検査センターとしては徐々に品質が改善することは重要なことではあるが,最初だから品質が悪くても仕方ないは基本的に許されない.最初からある一定以上の品質で診断を提供できていたという証左でもあるので,これは正直嬉しいところ.

# 他の病院病理部・検査センターの動向

カンボジアの検査センターでここまできちんとしているところは他にあるのだろうか?自分の知る限りは標本作製環境でここまで丁寧に検体を扱っているところは他にはない(正確には他の検査センターに行っていないのでよくわからないが).本当は他の病院に行って直接指導したいところもあるのだが,現実的には難しい.少ない病理医とはいえ,それぞれの病院で長年やってきた先生ばかりでどこの馬の骨か分からない病理医が上から指導をしても聞いてくれそうにもない.実際に壁にあたった訳では無いが,話をした感じからするとひしひしと伝わってくる.もちろん,アプローチをする方法を考えていないわけでないが.

もう一つ根本的な問題点としてカンボジアの病理医の横のつながりが希薄であることが挙げられる.これは某日系病院の先生と話をして共感してもらえたのだが,仲間で一緒に盛り上げて何かをしようという意識が希薄過ぎる.その証拠にカンボジアの病理の先生に他の病院や検査センターのことを聞いてもよくわからないという返事が返ってくる.みんな忙しいからということだそうだが,流石にちょっとどうにかならないかと思っている.多分国民性なのか歴史なのか,自分たちのことが第一という考え方が根強い.それは後半の内容に関わってくる.

ちなみに今年別府でカンボジアの病理学会(病理医協会?)が一応設立された模様.

# Leading pathology laboratory として君臨すること

上記の事情があることから,他の病院病理部や検査センターに対して直接的な干渉はかなり難しいか現実的に不可能に近い.そうすると現状できることはただ一つで,自分たちがトップに君臨して他の病理部や検査センターに対して間接的に見習ってもらうしかない.偉そうなことをと言われるかもしれないが,それが現実的に可能性のある解決策と考えている.

正直,現時点でもカンボジア国内で我々以上の品質の病理診断を提供できている検査センターは他にないと思う.免疫染色が外注検査で,しかも患者負担になるため行いにくいという制約はあるものの,HE 染色で出せる診断としては日本にも劣らない高い水準でできている.

ただ,懸念点としては他の病理部や検査センターとの差が広がってきている可能性が挙げられる.もちろん杞憂であってほしいのだが,毎週のように難しい症例のディスカッションをしながら診断をしているところと,一人でほとんど相談もせずに(できずに)サインアウトする環境では必然的に差が広がってもおかしくない.HE での診断しかできない環境であっても分子生物学的な理解が HE 診断の品質を高めることと,近い将来遺伝子異常の検索が可能になる可能性が高いので,なるべくそういうディスカッションも組み込んでいる.こういう指導をするためにはある程度の経験が必要なのだが,どうなんだろうか.

なんとかその落差を縮めたいという意図はあるが,現状有効な手立てがなく,自分たちのスキルを高めるのが暫定的な正解になってしまっている.

# アウトリーチ活動

病理診断の水準を高めるのと同時に,病理診断の考え自体を一般の人たちにより理解してもらう活動も重要と考えていて,今年からアウトリーチ活動について意識をするようになった.ただ,そもそもの前提として患者の前に医療従事者(医師・看護師・リハビリ・事務 etc)が病理診断を理解する必要があって,その調査も兼ねて,某 NGO 病院に病理検体の提出方法のレクチャーをさせてもらった.

質問のほとんどが日本人のスタッフからで,ちょうどお祭りと重なっていたこともあってか一番届けたい層には届かなかったが,反応はまずまずといったところで,こういう活動は継続して行っていったほうが良さそう.来年は患者や一般の人向けに病理診断とはなにかという講演ができたら良いと考えている.

もちろんアウトリーチ活動は自分が中心となってやるというよりも一度お手本を見せて,それを改変しながらカンボジアの先生たちの手で広めてもらってほしいという意図がある.

# 後進の育成

最近まで知らなかったのだが,今カンボジアの病理専門医育成の第 4 世代が始まっているようだ.第 2 世代が最近卒業して,第 3 世代が頑張っているかと思っていたら,いつのまにか更に次の世代が始まっていた(レジデントの育成には全く関与していないので知らなくても当然とは言えば当然).

ただ,懸念点というかやはりと思っていたのが,結局 2 世代も半分しか残らないそうで,もう半分は卒業後にフランスに行くとのこと.第 1 世代の先生も何人かフランスに行ったっきり帰って来ていない.この点について,カンボジアの病理診断支援をしている日本臨床細胞学会や国立国際医療研究センターの先生方がどう考えているのか知りたい点の一つで,頑張って育てても残ってくれなければ意味がない,とまでは言わないにしても,意義は減るだろう.そして残っている先生が,あれからどの程度成長したかちゃんと評価していますか?

先程も述べたように病理医の育成は自分の仕事ではないが,後進が出てこないことにはカンボジアの病理診断自体に発展のしようがない.ほかとの比較対象がないので,なんとも言えないが育てた病理医の半分が国内で業務に従事しないのはそれは大きな問題ではないだろうか.

# なぜ育成した病理医が外国に出ていくのか

究極的にはよくわからなくて,彼らに聞いてみたいところではある.間接的に聞いてみたところ,「彼らは病理診断に自信がないから外国に行ってさらに研鑽を積みたいと考えているのではないか?」とのこと.この意見が本当だとしても本当ではなかったとしても,カンボジアの病理診断体制に疑義を投げかける重要な指摘と言わざるを得ない.

仮に本当に自信がないのだとしたら,カンボジア国内でそれを自信に変えられるだけの研修環境を提供できていないことになる.1 期生が卒業して数年経つが彼らが戻ってくるという話は聞いたことがない.多分ずっと戻ってこないだろうし,戻ってきても仕事環境が違いすぎて多分働く気力がなくなるかもしれない.

自信があるにもかかわらず外国に行きたいというのであれば,それはすなわち彼らが活躍できるような職場環境を提供できていないということになる.つまりどちらの意味だったとしてもカンボジアの病理診断体制に魅力を感じていないということになる.

もちろん残ってくれる人も当然いるわけで彼らに対して他の欧米諸国に劣らない・あるいはそれを上回るような職場環境を提供する必要がある.

そうそう,いい忘れていたことだが,レジデント期間に授業料を払うシステムは改善したほうが良いと思っている.30 歳近くまで学生であることを許されるのはお金持ちか苦学生くらいで,前者はそもそも頑張って働く必要はないし,後者は投資の回収に走らざるを得なくなるわけで,普通に働く人が残りにくいシステムと言える.

# 来年にやりたいこと

アウトリーチ活動を続けること,そして FISH 検査を導入すること.これは数年来の悲願でもある.免疫染色は Calmette 病院他複数の病院で現在ある程度広範囲の抗体が利用可能になっている.そして迅速診断は Calmette 病院や KSF 病院(予定)でできるそうだ.免疫染色はある程度稼働しているようだが,迅速診断は依頼が少なくあまり稼働していないと聞く.

検査センターなので,迅速診断は(依頼件数が少ないことも手伝って)少し現実的ではない.免疫染色も考えたが,揃える抗体の種類や期限,管理の煩雑さとすでに複数の施設で実施可能であることを考慮し,カンボジア国内で未導入の FISH に目をつけたところ.直接的な契機は某 NGO からの相談で,依頼件数の見込みが立ったことから,検査センターとして pay しうると考え導入の説得ができたところ.トータルのコストの回収は恐らく 4-5 年はかかるだろうが,一度樹立すれば,単に probe を変えるだけで,検査の幅が非常に広がることからなんとしても実現したいところではある.

遺伝子検査の導入のもう一つの目的は病理医の教育及び魅力的な労働環境の整備とも言える.自分が大学病院などの大きな病院で仕事をすることにこだわり続けている理由の一つが必要な検索ができる,ことがある.病理診断に従事している人は誰しも病気の原因を調べたいと考えていると信じていて,検索の手法が大いに越したことはない.HE だけで診断するのも格好いいけど,免疫染色や FISH を使いこなして診断を詰めていくのも格好いい.結局それが魅力的な職場になるのではと考えてる.給料については正直自分のコントロール外だし,上記のように実家が太い先生たちが多いわけで,彼らの知識欲を満たすことが結果的にカンボジアの病理診断,ひいては医療全体の向上につながると考えている.

そしてその答えは来年の年末に.


2023年12月3日日曜日

2023 年度病理専門医試験の総括(疾患当てクイズ編)

どどたんせんせは毎年病理専門医試験で公開された問題を集計してデータベースを作成している.そのデータベースからいくつか抽出して考察をしてみる.

# 全体的には平均的な出題で実力を存分に発揮できる試験のセット

言うまでもなく,病理専門医試験では同じ問題が繰り返し出される.そのため過去問を丁寧にレビューすることが点数を上乗せするために必要になる.2023 年度の出題疾患をみても,ほとんどが過去問で扱われた疾患であり,奇をてらうような疾患はほぼ含まれておらず,比較的解答しやすい印象ではなかっただろうか.

もちろん試験としては簡単すぎることもなく,受験者の実力を適切に評価する試験だったと考えられる.

# 正答率が低めであった問題

一般的に新規に出題される疾患は正答率が低い傾向にある.加えて,良性疾患,非腫瘍性疾患,細胞診や迅速診断では腫瘍がない陰性例は正答率が低くなりがちである.そもそも論として陰性や正常と言い切るには他の様々な可能性を否定する必要があり,かなり勇気がいる.本年も同様に,これらの疾患で正答率が低めであった.

正答率が低めの問題は翌年以降にリベンジとしてアレンジして再出題されることがあるのでぜひとも復習しておきたい.

# 今回新規に出題された問題

分類の仕方によってだいぶ異なるが,2001-2022 までの過去の出題例から見て新規出題と思われる疾患を抽出してみた(亜型等での新規出題は除く).2つの群に分ける.

## 正常構造,非腫瘍性疾患

近年の出題でメッセージ性を強く感じることの一つとして,正常構造や遺残物が解答となるような問題が散見され,特に新規出題例の中で多くを占めている.これらは正常構造として当然知っておかねばならない,はずである.

現在は純粋な形態のみの理解だけではなく,遺伝子異常等,学習することが多くなっている傾向にあり,正常構造の学習がおざなりになりがちである.もちろん限られた時間で学習をする必要があるので,ある意味仕方ないのだが.その中で正常構造もきちんとして理解してほしいというメッセージと考えられる.
  • Intrapulmonary lymph node
  • Endometrium, secretory phase
  • Rathke cyst
  • Seminal vesicle
## 他の新規出題疾患

Atypical carcinoid が新規出題例であったことに少し驚いている.肺・縦隔の atypical carcinoid は施設にもよるが一般的にはかなり稀であり,診断基準をきちんと把握している人は少ないのではないだろうか.試験では neuroendocrine tumor とし部分点を狙うしかないような気もしている.

Cylindroma や microcystic adnexal carcinoma は有名とはいえ,こちらもかなり稀で見たことがない人も少なくないと思われる.かくいう自分も cylindroma は経験がない.

エキノコックスも地域性はあるにせよ結構有名な疾患だが,過去 20 年間の病理専門医試験としては初登場ということになる.
  • Atypical carcinoid
  • Severe dysplasia of the oral mucosa
  • Cylindroma
  • Microcystic adnexal carcinoma
  • Echinococcus infection
# ○×クイズ

配点が低いのであまり力が入りにくいが,内容的には例年を踏襲した無難な問題セットであた.ただ意外だったのは ISO20387(バイオバンク)を病理検査室の国際規格として間違えた人が相当数いたことだ.おそらく分子病理の講習会でいくつか数字を聞き,それが誤って定着したものと考えられる.

ただ,ISO15189 は認証を取得している施設では耳にタコができるくらい聞いているはずで,この正答率の低さが気になる.

プリオンの失活の温度を知っている人はプリオンに暴露されたことのある人くらいではないだろうか.知っておいて損はないだろうが,細かいことにこだわりだすとコストパフォーマンスが悪くなるのでほどほどに留めておいたほう良い.

# 今後の対策

例年通りの,過去問を中心とした学習で全く問題ない.新規出題例はごく少数で,過去問を中心とした学習で十分余裕を持って合格点を狙える.近年出題された疾患は比較的再度出題されやすい一方で,稀に過去に出題された「相当古い?(稀な?)」疾患が再度登場することもある.出題頻度を頼りに可能であれば,出題頻度の低い疾患もカバーすると充実した対策になるだろう.

高得点を望む人や余裕のある人は「病理と臨床 2017年臨時増刊号 病理診断に直結した組織学」などの正常組織の復習すると,近年の出題傾向と併せ,さらに点数が上乗せされるであろう.ただ,出題されている正常構造は基本的なものばかりであり,試験勉強というよりも普段の診断のために勉強してほしいというのが正直なところである.

2023年8月20日日曜日

最近の話

 # The second visit this year

そろそろカンボジアに定期的に訪問するようになってきている.今回の目的は切り出し周りの整備を中心に他の用事が少々.後になってわかったことだが,なるべく大きな声で色々なところに声をかけた方が良かったかもしれない.

切り出し台の無影灯をいかにして再現するかが問題であったが,その答えの一つとして,フィギュア用の撮影ボックスという答えを考えてみた.実際に使ってみると意外とよいが,大きな検体はやはり難しい.違う方法を考えてみねば.

と思っていたところ,デスクライトをつなげると無影灯として機能するという話を聞いた.これは是非実践してみたいところ.

# My problems are not always their problems

なぜ行って実際に行動しないと改善しないか.そんなの行かなくても遠隔で指示すれば行けるじゃないかと思うかもしれないが,実際はかなり厳しい.色々原因はあると思うんだけど,一番の原因は

捉えている問題が自分と相手は根本的に異なっている

どうしても目の前にある問題に対して取り組みがちで,人によって立場によって,同じ風景を見ていたとしても問題は異なって見えてしまう.

自分としては切り出し図のシェーマなしで標本を見ることは暗闇の中でライトなしに車を運転するかのごとくで,正気の沙汰でないと思っている.しかし,別に障害物などないし,まっすぐ進めば目的地にたどり着くと考えると,ライトは別になくても困らないのだろう.

別の例を挙げるなら,中心静脈カテーテルを挿入するときにエコーを必要とするか否かで,昔やっていたときはエコーを使うなど邪道という考えであったが,今ではエコーを使わない方が邪道になっている.

時代や場所が変わると常識も変わる.現在からランクアップするためには変わらないいけないが,その必要性はしばしば変わってから認識することになる.先見の明がある人は変わる前から必要性を認識できるらしいが.

# Hierarchical relationship

この手の支援で大事にしていること.可能な限り同じ目線で話をすることと,こうしたらいいと思ったことは丁寧に理由を含めて説明をすること.どうしても自分たちが上で支援される側が下という構図になりやすい.というかそういう構図になってしまうのだが.

実際問題として,レジデントの中で極めて優秀な人が何人かいる.知識も非常に豊富で考え方がスマート.そういう人に対しては教えるというよりも進捗を確認しつつ,成長を邪魔しないという態度のほうが良い気がしている.

# How to improve it

前項でも述べたように自分たちが認識している問題点を必ずしも彼らが問題として認識しているわけではない.マクロ所見を記載しないことについては,どうせ自分が見るしという事情があるような感じがする.他の人が見たときにどうやってこの切片が断端だと認識することが可能だろうか?とか半年後にこの切片がどこに相当するかどうやって記憶しているのか?と何度も何度も何度も形を変えて問いただしているのだが,一向に変わらない.

子供を叱るわけではないが,論理的な説得が無効の場合はしょうがないので感情にある程度任せるしかない(怒るとエネルギーを消費するのであまり怒りたくはないのだが).キレるときはケースベースドにならざるを得ない.マクロ写真を消去したことが発覚したときにはことの重大さを理解してもらうために敢えてキレてみた.次は切り出しのシェーマを作製していなくてどこを切ったか分からなくなるときかしら.

しかし,なんで切り出しのシェーマを書かないんだろう(他の病院でもほとんど書いていないことは理解している).

15 年目の悲劇

# 卒後は 17 年目,病理は 15 年目 自分は 2009 年に大学を卒業しているので,2026 年 4/1 現在だと,卒後 17 年目になる.卒後 15 年目のとか,20 年目の,みたいなタイトルの本を見るが,その節目を超えてさらなる大台に突入してしまった感じはある. 初期研...