2022/01/01 掲載されている本について情報をアップデートしました.
特に変更はない.病理解剖の位置付けなどは欧米と日本では異なるように見え,記載の方法などは非常に独特とも言える.よって洋書はあるものの (hospital autopsy, medical autopsy などで検索),実際の使用という観点からは疑問符がつくので敢えて記載していない.
2021/05/05 掲載されている本について情報をアップデートしました.
英語の教科書もなくはないが,実際に参照する機会は少ないと思われる.
ということを前提にした上で,以下に提示する.
・図解病理解剖ガイド (2018)
おすすめ度:★★★★★
比較的最近出版された,病理解剖に関する指南書で,実際の写真が豊富に含まれておりわかりやすい.どれか一冊と言われたら網羅的な「徹底攻略! 病理解剖カラー図解」をおすすめするが,他の人が持っていたり病理部に置いてあったりするのであれば,こちらの本も悪くはない.
・徹底攻略! 病理解剖カラー図解 (2015)
おすすめ度:★★★★★
著者(編者)の出版意欲には頭が下がるというか,若干胡散臭いところもあるけれども,少なくともいま日本で出版されかつ入手可能な病理解剖の本の中で一番読みやすくかつマトモな本.どれか一冊と言われたら,間違いなくこの一冊をおすすめする.網羅的かつ一般的なことがきちんと記載されており,好感がもてる.
・病理解剖―“わからん”が“わかる”へ (2010)
おすすめ度:★★★☆☆
上記の病理解剖カラー図解が出るまでは,比較的おすすめの本(であった).悪くはないのだが,絵や図が少なく文章メイン.あと,計測すべき事項が詳細に書いてあるが,なぜ計測すべきかなどが細かく書いていない.決して悪い本だとは思わないが,現時点ではこの本を積極的に推す理由はない.二冊目として買っても悪くはないが,,,.
・あたらしい検案・解剖マニュアル (2018)
おすすめ度:★★★★☆
専門医試験を前提としたときにはこの本が活躍することはない.しかしながら,病理解剖をやっていて,事件関連なのでは?とか裁判沙汰になるのでは?と思うことは少なくない.現実的に法医学教室に勉強にしに行くことは難しくて,法医学の先生たちがどのようにやっているかということを見ることは少ない(もっというと,法医学教室によってもやり方が全然違うので意外と難しい).この本は一つの例としてある程度網羅的に書いているので,とても参考になる.
・病理と臨床 Vol.30 2012年臨時増刊号 病理解剖マニュアル
おすすめ度:★★★★☆
現時点では入手不可.でも心配はいらない.病理と臨床は数年ごとにテーマをぐるぐる回していて,おそらく数年後くらいにはまた病理解剖マニュアルの特集が組まれることでああろう.読む人も書く人も業界人なのでそこら辺は十分理解して執筆している.現時点で標準的な病理解剖の手法が記載されている.でもページ制限があり詰め込みすぎるきらいなのと,著者による多少の濃淡があるのと,全体としての統一性にややかけるので通しでは読みにくいかもしれない.
・病理解剖とその技術 (病理技術マニュアル)
おすすめ度:★★☆☆☆
この本,まず手に入らない.1983 年の本なので,昔からある病理検査室あるいは誰かが寄付しないと,そもそも見ることすら不可能.病理解剖の手技自体がそもそも枯れた技術なので,なかなか新しい本が出にくい,というのが現実.今回挙げたものなかでは多分いちばん詳しい本であるのは確か.もし病理検査室にあれが一度手にとって見ると良い.学会はこういう本をもう一度発売あるいは PDF などの形で会員に配布すべきだと思う.そういうことをしてこそ学会に所属する意義があるというもの.
臨床病理検討会の進め方・活かし方―CPCの作法 (2016)
おすすめ度:★★★★☆
病理解剖はやっておしまい,ではない.その後に臨床病理相関を検討する,CPC が待っている.病理解剖について勉強をしようとしている人たちは,すでに研修医の時に経験済かもしれないが,どのように CPC を進めていくべきか(正解ではなくとも)一つの目安にはなると思う.
個人持ちするというよりも病理部に買ってもらったほうが良い本ではある.
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