2025/03/04 本のリンクや版を含めて少し更新しました.ほとんど変わっていません.ロビンスなど定期的に更新されている本とルービンなどあまりアクティブではない本が大きく別れています.入手の容易さや情報のアップデートなどからは原則的に出版から 5 年程度以内の本を選ぶようにすれば大丈夫です.ただ,古い本でも解説やレイアウトに魅力がある本は多いので,最新の本を持ちつつ古い本も図書館などで探してみてください.
2019/09/23 比較的閲覧件数が多いので,コメントしておくと,リンクは最新の本へ変更しています.書いてあることはほとんど変わりません.シンプル病理学やわかりやすい病理学ですらわかりにくいと感じる人は少なからずいると思いますが,それはもうしょうがないです.どどたん先生の総論の授業を受けるのが一番です.
【ここで載せている本について】
【初学者向けに良いと思われる】
・シンプル病理学 (2020)
・わかりやすい病理学 (2021)
おすすめ度:★★★★★
・新病理学 (Qシリーズ) (2012)
おすすめ度:★★★★★
・臨床に役立つ! 病理診断のキホン教えます
(2017)
おすすめ度:★★★☆☆
・疾病のなりたちと回復の促進〈1〉病理学 (2021)
おすすめ度:★★★★☆
・はじめの一歩の病理学 (2017)
・史上最強カラー図解 はじめての病理学 (2014)
・図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ (2024)
おすすめ度:★★★☆☆
【病理学を学ぶ中上級者向け】
*** 日本語で書かれた標準的,網羅的な病理学の教科書 ***
・標準病理学 (2023)
・解明病理学 (2021)
・器官病理学 (2013)(更新されていない)
おすすめ度:★★★☆☆
*** 英語で書かれた標準的,網羅的な病理学の教科書の和訳版 ***
・カラールービン病理学 (2017)(洋書 Rubin's Pathology: Mechanisms of Human Disease 2019)
【ここで載せている本について】
- 病理診断に関するおすすめの本(病理学を学ぶ学生,細胞検査士を受ける臨床検査技師,学生,病理診断に興味のある臨床医,病理専門の研修医)を紹介しています.
- 簡単な本から難しい本まで様々な本を紹介していますが,全てを買う必要は到底ありません.
- 基本的には教科書+アトラス(あるいは簡単なテキスト+詳しい教科書+アトラス)で十分です
【初学者向けに良いと思われる】
・シンプル病理学 (2020)
・わかりやすい病理学 (2021)
おすすめ度:★★★★★
- 良い点:
- 病理学を学ぶ全ての人へおすすめの本.
- この一冊を勉強したからと言って,すべてが分かるようになるわけではないが,それでも始めの一歩としてはかなりよく出来ている本.
- 時間がない人は前半の総論部分を読むだけでも良い.病理学あるいは病理診断で用いられている専門用語を習得することが,初めの第1歩となる.
- 化生,変性,再生,異型,異形成などの用語があやふやだとどんなに講義を聞いても身に付かない.
- シンプル病理学もわかりやすい病理学もどちらも同じコンセプトに近い本なので,どちらか一冊でもいいし,安い本なので両方とも買って読み比べてみるのも決して悪くはない選択肢.
- 基本をしっかりマスターすることはそれくらい重要なこと.
- 定期的に改訂されているが正直基礎基本についてはそんなに内容がダイナミックに変わることはないので 1-2 版くらいは古い教科書でも問題はない
- 悪い点:
- 網羅性が今一つ以上,特に各論(各臓器別の病理学)が致命的に弱い.
- コメディカル(看護,臨床検査)では教科書として十分通用するが,医学生向けとしては少し内容が欠ける部分がある.
- もっとも各大学で教えている病理学の授業の内容自体がかなり幅があり,ものによっては標準病理学ですらカバーが不能な状況下であまりこういうことを言ってもしょうがない.
・なるほどなっとく!病理学: 病態形成の基本的な仕組み (2022)
- 良い点:
- ごく一般的な病理学総論のテキスト
- 各論は含まれていない
- 記載自体が一般的でコメディカルの学生が勉強しうるであろうことがキチン載せられている
- 分子標的薬などの今どきの内容も含まれている
- 値段が安いのでサブテキストしては有用
- 悪い点:
- 各論(臓器ごとの記載)が抜けているため,普通の病理学の本の代替としては使えない
おすすめ度:★★★★★
- 良い点:
- 以前は分冊で総論,各論でそれぞれ 3000 円であったが,改訂されて,一冊の本かつカラーになったので以前に比べてお得感が増している.
- それはさておき,病理学に対して,ある程度体系だった内容を,現実的に理解可能な分量でまとめて提示している.
- Cover to cover で読むことを前提とした時に十分可能な分量.特に病理専攻医には絶対的におすすめ.ぜひ買うべき.
- 出版が 2012 年であり,悪い点にも少し書いたように内容が若干古い印象を受けるが,基礎基本はそこまで変わらないため始めの一冊あるいは副読本としては未だに有用(改訂が望まれる)
- 悪い点:
- 正直あまりないが,若干内容が古い.APUDoma とかはあまり最近の本では取り上げられていないのでは?
- 疾患概念自体もそろそろ更新して欲しいところだが,学生向けの本でそれを要求するのは酷なのか.
- この本を書いている川口市立医療センターの先生たちは確か結構のお年なので,改訂は難しいかもしれない.正直自分が改訂したい笑
・臨床に役立つ! 病理診断のキホン教えます
おすすめ度:★★★☆☆
- 良い点:
- 病理診断に関する基本的なことを書いてある本.羊土社らしい,痒いところに手が届く本.
- 病理専属でトレーニングする人にとっては初めの 1 - 2 ヶ月で習うようなことなので,特に持っておく必要はなさそう.
- 外科を始めとした先生で,検体処理など先輩から指導を受ける機会がなかった人などにとっては有用かと思われる.
- どどたん on the web もこの本程度の内容は網羅すべく邁進しているところ.
- 悪い点:
- あくまで基本なので,これ一冊読んだからと言って何もできるようにはならない.
- 例えて言うならば,カメラの取扱説明書みたいなもので,使い方はわかるようになるけれど,じゃあ実際にきれいな写真を撮ったりするためには当然別のトレーニングが必要.
- 羊土社から出版される本のあるあるなのだが,スピーディに出版される割になかなか改訂本が登場することが少ない.雑誌的で賞味期限が比較的短い本になりがちである.本来はこういう入門書的な本は丁寧に改訂して長く利用されるようにしたいところ
おすすめ度:★★★★☆
- 良い点:
- なかなか良くかけている.
- シンプル病理学やわかりやすい病理学よりも頭一つ抜き出たレベルの記載がなされている.
- 医学生をターゲットにした本としては標準的な内容.標準病理学みたいに読めない,ということもないし.
- アンチョコ本的な雰囲気の漂う本だけれども,なめてかかると結構難しくて挫折してしまうかも.
- 悪い点:
- もう少し硬い名前にしてくれたら良かった.
- 多分勘違いして買う看護学生や臨床検査の学生が多い.
- はっきり言うと,この本は結構レベルが高いので,コメディカルの学生が買う場合は,ある程度自信がある人が買ったほうが良い.
- 少なくとも苦手な人(医学生も含めて)には厳しいかも.
・疾病のなりたちと回復の促進〈1〉病理学 (2021)
おすすめ度:★★★★☆
- 良い点:
- 看護向けの病理学の本.看護学校の病理学の授業の標準的な教科書.
- 多分どこの学校でもこれを使っているのでは?どどたん先生もこれを使って授業をしている.
- もちろん専門書に比べたら内容的にも劣っているのは仕方ないけど,結構しっかり書かれてあって,少なくとも値段からするとかなりお得感がある.
- 看護師だけではなく,臨床検査技師やその他のコメディカルの学生にも有用
- 各論については他の参考書と同じで明らかに弱い.他にもいい教科書があるので敢えてすすんで買う必要はないと思うけれども,看護の学生さんあるいは医師でこのテキストを配布された人は本腰を入れて読んでみると,得るものはとても多いと思う.
- 2021 年度版が出版されている(が正直内容が大きく変わることはないので,単に勉強するだけなら古い版でも十分)
- 悪い点:
- 看護師に必要な病理学という点では特化しきれていない.
- もっとも基礎科目としての授業なのでそこまで特化する必要もないのかもしれないけど.
- 多くの看護学生にはこの教科書は難しすぎて,多分この本の内容の 80% を理解できる学生はほとんどいない.
- もっとゆるい教科書が必要だとは思うけれども,こればかりは仕方ない.この教科書は悪くない.
おすすめ度:★★★★☆
- 良い点:
- 標準病理学などのレベルの高い参考書ではなく,シンプル病理学などの比較的平易な参考書の延長線上にある
- パターン認識の世界をこつこつと解くので有名な真鍋先生の,おそらく最後の?本のような気がする
- 病理総論についてはシンプル病理学や Q 病理学の代わりの本としても十分使用に耐えうるきちんとした構成
- 悪い点:
- これといってとくにないのだが,書いてあることは,そこまで特殊というわけではない
- 皮膚科医のための,と書いてあるが,別に皮膚科医プロパーの話題が繰り広げられるわけではなく,あくまで普通の病理学総論のテキストである
- 分子生物学的な部分が薄い(仕方ないとは思うけど)
- 値段が結構高い.ただこれについては真鍋先生の講義を直接聞けるような機会はもうなくて,この本の後半にあるパターン認識の考え方はとても有用なのでそこを考慮すると,まぁこんなもんかなーという感じ
・はじめの一歩の病理学 (2017)
・史上最強カラー図解 はじめての病理学 (2014)
・図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ (2024)
おすすめ度:★★★☆☆
- カラフルで比較的読みやすい,今風のテキスト.概要をさらうのには最適であるが,本格的に勉強するには不十分な印象.
- 「史上最強カラー図解...」は比較的よく書けていると思うけれども,その分込み入った内容になってしまっている.
- 具体的な読者層が不明瞭な本であるけれども,病理以外の領域を専門にする人が病理学の触りを知りたい人にとっては有用かもしれない.
- そもそも論だけど,病理学というのは基礎医学のある種の集大成であると同時に臨床医学入門であるため,かみくだいて簡単に説明すること自体が実は難しい
- なぜだかよくわからないが,この手の本は第 2 版がなかなか出にくいよう
【病理学を学ぶ中上級者向け】
*** 日本語で書かれた標準的,網羅的な病理学の教科書 ***
・標準病理学 (2023)
・解明病理学 (2021)
・器官病理学 (2013)(更新されていない)
おすすめ度:★★★☆☆
- どの教科書を選んでも問題ないけれども,比較的更新されている本が標準病理学,解明病理学の 2 つで,これらは定期的に最新版になっている.
- 器官病理学は更新される気配はなさそう(これもわかりにくいんだけど,もともとは昔あった新病理学各論の改訂版として出しているそう.総論の方は病態病理学として改訂されていて,それに呼応する形で各論が器官病理学として出版されたものなんだけれども,なぜか各論に相当する器官病理学に総論の内容が入っている,謎すぎる).
- 執筆者はまぁ似たような人たちなので,はっきり言ってどれもいい.
- 病理学はどんどんレベルを高くすると分子生物学になってしまうので,もっと詳しく突っ込んで勉強したければ,分子生物学の本あるいは最近の論文を漁るしかない.
- だからやたら難しい本を勉強してもしょうがない.
- これらの本はどれも総論,各論が比較的しっかり書かれている.
- それでも各論についてはこのページ数で記載するにはなかなか難しくて,かなり端折った記述になっているので,多分医学生には難しいと思う.ましてやコメディカルの学生にはまず理解は厳しいだろう.
- 細胞検査士を受験する人にとっては標準病理学(及び外科病理学)がある種の教科書的な存在になっているのは確か.ただ,個人持ちする必要はないと思う.必要に応じて参照できるようなところにあれば良い.
- 買うべきかいないかについては,どちらでも良い,というのがどどたん先生の見解.病理専門医試験対策には決して向いてないし,いかんせん分厚くて通読すること自体が難しい.
- 現在アクティブに更新されているのは標準病理学のみということになる.最近は医学生もあまり本を買わないので難しいのだろう
*** 英語で書かれた標準的,網羅的な病理学の教科書の和訳版 ***
・カラールービン病理学 (2017)(洋書 Rubin's Pathology: Mechanisms of Human Disease 2019)
・ロビンス基礎病理学 (2025)(洋書 Robbins Basic Pathology, 10e 2022)
・ルービン カラー基本病理学 (2015)(洋書 Principles of Rubin's Pathology 2018)
・ルービン カラー基本病理学 (2015)(洋書 Principles of Rubin's Pathology 2018)
おすすめ度:★★★☆☆
*** 病理アトラス ***
・病理組織マップ&ガイド (2014) おすすめ度:★★★★★
・組織病理カラーアトラス (2021) おすすめ度:★★★★☆
・カラーアトラス基礎組織病理学 (2004)(洋書 Wheater's Pathology: A Text, Atlas and Review of Histopathology 2020)おすすめ度:★★★★☆
- ルービン,ロビンスともに英語では比較的おなじみの教科書.
- アンダーウッドは改訂されていないので(英語の方は改訂されているけど翻訳されていない)とりあえず省略.
- ルービンもロビンスも翻訳自体はだいぶこなれてきているので,もし読みにくいと感じたら,実力が不足しているということで,初学者向けの本を読んで知識を蓄えたほうが良い.ただ,疾患の取り上げ方がアメリカ,ヨーロッパ的で日本の実情とはやや異なっているため,読んでいてもいまいちしっくりこない可能性はある.
- ロビンス基礎病理学は分厚い教科書に思えるかもしれないけれども,実は親本(big Robbins と言われている;Pathologic Basis of Disease)がある.
- 原著で読むのも一興だけど,95% 以上の人は日本語で読んだほうが捗る.
- USMLE を受験しようとする人はこういう本で勉強するといいとは思う.
- 現時点でアクティブに更新されているのはロビンスくらい.ルービンは西村書店が翻訳をしているが,改訂版をコンスタントに出すという印象は乏しい.翻訳の改訂の頻度としては丸善>>西村書店である.
- 結局翻訳の頻度や内容のアップデートからするとロビンスを選んでおくのが無難.
*** 病理アトラス ***
・病理組織マップ&ガイド (2014) おすすめ度:★★★★★
・組織病理カラーアトラス (2021) おすすめ度:★★★★☆
・カラーアトラス基礎組織病理学 (2004)(洋書 Wheater's Pathology: A Text, Atlas and Review of Histopathology 2020)おすすめ度:★★★★☆
・カラーアトラス病理組織の見方と鑑別診断 (2020) おすすめ度:★★★★☆
・組織病理アトラス (2015) おすすめ度:★★☆☆☆
・ロビンス&コトラン病理学アトラス (2009)(洋書 Robbins and Cotran Atlas of Pathology 2020) おすすめ度:★★★★☆
・組織病理アトラス (2015) おすすめ度:★★☆☆☆
・ロビンス&コトラン病理学アトラス (2009)(洋書 Robbins and Cotran Atlas of Pathology 2020) おすすめ度:★★★★☆
・正常画像と比べてわかる 病理アトラス (2024) おすすめ度:★★★☆☆
・画像詳解完全病理学 総論 (2005)・各論 (2009)(総論と各論で出版社が異なる)おすすめ度:★★☆☆☆
・病理診断コンパクトナビ (2012) おすすめ度:★★★☆☆
*** マクロ病理アトラス ***
・カラーアトラス マクロ病理学 (2005)(洋書 Colour Atlas of Anatomical Pathology )
・画像詳解完全病理学 総論 (2005)・各論 (2009)(総論と各論で出版社が異なる)おすすめ度:★★☆☆☆
・病理診断コンパクトナビ (2012) おすすめ度:★★★☆☆
- 少し評価を変更した.マップ&ガイドか組織病理カラーアトラス辺りが無難
- 病理組織マップ&ガイドは,値段が比較的安くコスパも良いので,とりあえずこれはおすすめできるところ.組織病理カラーアトラスも病理診断のポイントが書いてあって実際に実習をする時に参考になるので分かり易いが,ちょっとお値段が高い
- カラーアトラス基礎組織病理学は写真も大きくて,ちゃんとどこか矢印で指してくれているので分かり易いが,疾患の網羅性でいまいち(でもおすすめ).この本を購入する人はほとんどいないと思うけれども,この本はどどたん先生の思い入れがあるので評価を高めにしている
- 昔から有名なものとして,鑑別診断と組織病理アトラスで,結構著者がかぶっていたりして,正直どっちもどっち的なところがあった.はっきり言おう,学生には難しすぎる.病理専門医試験レベルとしては適切.
- しかし,最近組織病理アトラスが改訂して内容はちょっとだけアップ,お値段爆上げしたので,正直選択肢に入らなくなった.鑑別診断の方も最近改訂され,こちらは内容的に学生向けになっている(鑑別診断の方は 2018 年に引き続き,2020 年にも改訂されている.確かに内容は常に更新していく必要はあるが,ちょっと改訂頻度早すぎ?).
- ちなみに組織病理アトラスの文光堂は,学生向けに病理組織マップ&ガイドを読めとしていて,こちらはお値段は比較的リーズナブル.
- 正常画像と比べて分かるの本は読みやすいが若干写真が小さい.ハンディサイズなので試験対策としては良いかもしれない.値段も比較的リーズナブルなので,悪くはない選択肢.ただ実習用には他の本を持っておいたほうがよいかも
- 画像詳解完全病理学はあれはよくわからん.あそこまで症例を揃えたのは立派だが.まぁこの本は色々な噂があって,,,まぁ読む分には関係ないけど.項目ごとにページが分かれているので意外と読みやすいと評判が良いが.
- ロビンスのアトラスはかなり秀逸だと,どどたん先生は思っているけれども,意外と評判は良くない.マクロや CT なんか病理とは直接的に関係のないものが結構入っているのが理由か.実習の手引としてはあまり有用ではないかもしれないけど,それでも総合的な学習としてはかなり有用だと思う.
- 病理診断コンパクトナビはなかなか良くできている本で,これもいいけど,写真が小さい.アトラス的な使い方をするのであればもう少し写真が大きい方が使いやすい.
*** マクロ病理アトラス ***
・カラーアトラス マクロ病理学 (2005)(洋書 Colour Atlas of Anatomical Pathology )
・Atlas of Gross Pathology: With Histologic Correlation (2008)
おすすめ度:★★★☆☆
*** 問題集 ***
・ルービン カラー病理学Q&A (2007)(洋書 Lippincott's Illustrated Q&A Review of Rubin's Pathology 2010)
おすすめ度:★★★☆☆
- マクロ病理アトラスは学生向けには多分いらない.
- エコーや CT, MRI なんかを勉強している人が,実際に病理はどうなっているんだろうと気になった時に手に取る本.
- あるいは病理専門の専攻医が勉強するのに買っても良いかも,といったところ.
- マクロ病理アトラス自体はほとんどなくて,どどたん先生も結構探したけど,現実的に入手可能なのは上の 2 冊.
- 正直あまりきれいとはいえないが,他に本がないのでしょうがない
- なぜ本が出版されないかというと端的にいうと需要がないから.実務でも病理専門医試験などでもマクロ所見は重視されない.
- ちなみにここからは完全に愚痴だけど,昔の人はマクロがよく読めたとか言うけど,決してそんなことはなくて(自分はきちんとマクロが読めると思い込んでいて実際には)読めない人たちはたくさんいる.
- この上記 2 冊の本も入手が難しくなってきており,なにか本があるとよいのだが(作るか?)
*** 問題集 ***
・ルービン カラー病理学Q&A (2007)(洋書 Lippincott's Illustrated Q&A Review of Rubin's Pathology 2010)
・Robbins and Cotran Review of Pathology (2021)
*** その他 ***
カラーダイナミック病理学―365症例からのアプローチ (2010)
おすすめ度:★★★★☆
この本は出されてから改訂される気配はないけど,よく書けていると思う.一応便宜上学生向けなのでここに書いているが,実際には病理専門医試験対策(特に剖検問題対策)として有用なのではないかと思っている.改訂あるいはバージョンアップが望まれる.
- ルービンは日本語に翻訳した問題集で,Robbins のと合わせて,USMLE Step 1 をターゲットとした問題集になっている
- 医学生向けの CBT 用の問題集でもなければ,病理専門医試験用の問題集でもない
- しかし,病態生理や疾患背景をきちんと問うている問題集なので,医学生がやると理解が深まると思う
- 完全にスキルアップを目指したものでしかないが,病理学の実力をつけようとしたり,あるいはロビンスやルービンを読み込もうとするのであればおすすめ
*** その他 ***
カラーダイナミック病理学―365症例からのアプローチ (2010)
おすすめ度:★★★★☆
この本は出されてから改訂される気配はないけど,よく書けていると思う.一応便宜上学生向けなのでここに書いているが,実際には病理専門医試験対策(特に剖検問題対策)として有用なのではないかと思っている.改訂あるいはバージョンアップが望まれる.
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