# 「私たちは病理医ではないので責任をとれません!なので先生たちがやってください」
たまに自分たちが聞くフレーズ.これは Power word でこの言葉が発動されると,すべての業務が医師に載せられてしまい,非常にめんどくさいことになる.
臨床医だったときも似たような経験があって,看護師等の職種のスタッフが言っていた様な気がする.
# 責任ってなんだ?
責任を取るって,何をするのか.もちろん金銭的な補償をすることも責任かもしれないけど,でもお金を払えば良いというものでもない.
これまでの様々な事例を見るに,結局責任を取るっていっても究極的には「ごめんなさい」と言うよりほかない.ごめんなさいといって許してもらえるかどうか,許してもらえるようにするのが責任と言える.もちろん金銭的な補償はあることはあるがあくまで付属的である.
でも誰でも責任を取れるというわけではない.そこらへんを歩いているおじさんに謝られたって困るはず.ごめんなさいという人がそれなりの力量があってそれなりのポジションである時にそのごめんなさいが意味を成す.ただ謝ればいいっていうものではない.「この人が謝るのならしょうがないか」と思えるかどうか.
そう考えると,通常は所属長が責任を取ることになる.例え現場の人がやらかしてもごめんなさいをするのは所属長である.医者だって同じことで,記者会見でごめんなさいをしているのは診療部長か院長クラスであって,当事者が出てくることはまずない.
そういう意味では我々ひらの病理医は責任を取っていない.
# 首にならないからこそ言える言葉
民間病院の市中病院では医師以外のメディカルスタッフは「ハイ分かりました」以外の返事はさせてもらえなかった.論理的に不可能であることを主張をすることはあっても,物理的に可能であれば原則的にやるのが仕事.それが嫌な人はいつの間にか辞めていっていた.
それが大学病院に来ると,嫌だと言い張って仕事をする人がチラホラ出てくる.最初そういう返答をされた時に意味がわからずめまいがしたが,今ではだいぶなれた.大企業になるとそう簡単にクビには出来ないことがわかっているからこそ言える言葉である.
# 臨床検査技師の仕事の責任は誰が取る?
臨床検査技師プロパーの仕事である,標本作製,例えば包埋や薄切で仕事をし損じた時に誰が責任を取るのであろうか?
自分の経験でも,薄く切りすぎてブロックに穴が空いてしまったとか,ブロックを紛失した!というのもあった.これは診断に影響を与える可能性が高いので,最終的な受益者である患者さんや臨床の先生に対してごめんなさいをすべきだが,結局自分で飲み込んだ(他のブロックを作り直した)か,自分から臨床医に説明しごめんなさいをした.
今から考えると,これらは完全に彼らの業務の範疇であるから彼らが責任を持って臨床医に説明をすればよいのでは?とも考えてみた.もし病理医に対して説明をすることが責任と考えるのであれば,,,,となって最初のサブタイトルに落ち着く.
要するに責任を取ること?から逃げてしまうとなんの仕事もできなくなってしまうし,結局のところ責任を取るのは所属長であったりする.そう考えると,仕事をやりたくない言い訳にしか感じない,というお話.
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