# カンボジアの病理診断の信用度の低さ
ちょうど first generation の先生が卒業をするというタイミングで開業をする!?というのでそのお手伝いをすることにした.その当時は早くね??と思ったのだが,後々他の人から話を聞いたところからするとまぁさもありなんというところだったみたいだ.
うさたん (@88usagi) からの紹介で,とある日系の病院に病理検体を出してくれないかとお願いするために挨拶に行った.そこの当時の院長から放たれた一言は強烈だった.「カンボジアの病理診断は信用できない」とのこと.脳腫瘍の検体を出した時に「solitary fibrous tumor or meningioma」という診断が帰ってきたとのことで,確かに臨床的なマネジメントの方向性はだいぶ違う.そういう critical であるべきところの爪が甘いというのが気に食わなかったようだ.
他にも協力してカンボジアの脳外科医を育てたのだが,彼は専門医を取ってからその専門医を売りにして頚椎カラーを販売する会社を作って,手術をすることを辞めてしまったそうだ.そうやって手塩にかけて育てても目の前の実利に走って使命感がないということに対して半ば諦めのようなものを感じていたように見えた.それでもその当時の院長は一から病院を立ち上げたやり手であり,相当な苦労をしているはずである.彼なりの悩みが出たんだろうなと思っている.
その当時の院長に対して自分は否定的な印象を持っていたが,確かに「使命感がない」というのはその通りかもしれないなと感じたのは事実.実際数少ない first generation の卒業生の中でも病理診断に従事していない人がいるし,カンボジアの病理医でも inactive な人がいる.自分が頑張らねばという意志が若干希薄のように感じる.ここらへんは国民気質でもあるのでそれを変えようとするのはあまり正しいとは言えず,その,彼らの文脈の中でどのように改善できるかを考えるのが得策なのだろう.
# 転機が訪れる
年末くらいにその病院から生検検体を出したいという申し出があった.その半年前くらいに「カンボジアの病理診断は信用できない」と言われた経緯があるので何様??と思っていたが,どうやらもともと生検診断を契約していた検査センターの病理診断でトラブルが続いたようで,そこから変えたいという話のようだった.
そこから生検の診断がコンスタントに出てくるようになり,比較的経営状態が改善してきた.難しい症例や手術検体は日本に送るようなのでそこまで大きな問題はなく経過していった.
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