2022/01/01 内容を改訂しました.2021 年度実施の試験を受験された先生の意見を反映しました.
2020, 2021 年に 2 回分子病理専門医試験が行われた.
分子病理専門医試験自体がまだ成熟していない,今後変化しうる試験ではあるが,今後の受験にあたって有用と思われる本を列挙していく.
分子病理専門医試験の対策ページを現在作製していないため,便宜上ここに列記する.なお,試験の受験をクリアするためには e-learning をすべてクリアし記憶することと,講習会の内容を理解することが必要十分である.プラスで購入する本は,そのための補助的な資料という位置づけと考えると良い.
・日本病理学会 e-Learning(ゲノム診療用病理組織検体取り扱い規定)
上 3 つは一つのアカウント登録で相互に学習可能.アカウント登録はすぐにはできないので余裕を持ってみること.遺伝性腫瘍以外の e-learning はマストと言える.e Precision Medicine は基礎編と臨床編があり,少なくとも基礎編はマスト,臨床編は出来ればクリアできるとよいがかなり時間がかかる.
・がんゲノム病理学 (2021)
・がんゲノム医療遺伝子パネル検査実践ガイド (2020)
・がんゲノム医療結果報告書の読み方と患者への伝え方 (2020)
・臨床検査 2020年 10月号増刊号 特集 がんゲノム医療用語事典 (2020)
・ゲノム研究用・診療用病理組織検体取扱い規程 (2019)(講習会の指定テキストで分子病理専門医試験受験志望者は全員持っているはず)
・遺伝子診療よくわかるガイドマップ (2018)
最初に説明したが,結局の所 e-learning と講習会のテキストを理解することが必要十分なわけで,いかにそこに到達するかが問題となる.2021 年 12 月にがんゲノム病理学が出版されて,これが実質公式参考書?かのような宣伝がなされていたが,本の網羅する範囲と試験範囲は微妙にずれていて,思ったほど出題されなかったという意見がある.2021 年度の試験を受けた先生からは公式の講習会の内容を理解することが必要十分で,がんゲノム病理学は後半のエキスパートパネルの問題が有用とのことであった.
自分も含め,多くの先生はがんゲノムなにそれ?という人が多いと思うので,まずは「がんゲノム医療遺伝子パネル検査実践ガイド」と「がんゲノム医療結果報告書の読み方と患者への伝え方」あたりで,そもそもがんゲノム医療がどのようになされているのか,という概要を理解することから始まる.
そして NGS を中心とした,がんゲノム医療の根幹をなすような技術について学習をすることが必要となる.そのためには遺伝子診療よくわかるガイドマップ」などで基礎的な部分を学ぶ.
そうしてある程度基本が固まったところで講習会テキストを読み,e-learning に取り組む.以上で午前問題対策はほぼ完璧と言える.午後問題対策としては C-CAT レポートの読み解きが必要となるが,それには実際のエキスパートパネルに参加し,腫瘍内科の先生に解説を頼むと良い.
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