2022/01/01 内容の確認を行いました.
脳腫瘍に限らず,現在では WHO 分類が事実上,あるいは実際腫瘍の分類の原則になっており,WHO blue book 以外は解説書的な位置づけにならざるを得ない.
特に脳腫瘍は分子遺伝学的な根拠に基づいて再分類されているため,昔の教科書の情報自体が陳腐化してしまう.現実的には WHO bluebook をまず第一の参照根拠とし,その他の本は理解を促すための本という位置付けにしたほうが無難.
現実的には癌取扱い規約及び WHO bluebook を参照することが多く,
・WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System (2016)
発行から 5 年経過しており,流石に最新とは言い難くなってきている.最新の話題については cIMPACT-NOW Update と命名された論文で定期的に提供されている.
WHO 分類は 2022 年に新しい版が出版される予定.
・脳腫瘍臨床病理カラーアトラス (2017)
・アトラス脳腫瘍病理 (2017)
・脳腫瘍取扱い規約 第4版 (2018)
実際の診断にあたっては日本語の本が使いやすく,上記の本を参照することが多い.どれも写真が多く,比較的よく書けている本であり参考にしやすい.
・Practical Surgical Neuropathology: A Diagnostic Approach (2017)
脳腫瘍の病理診断について,現実的には WHO と上記日本語の本で十分(それ以上は専門的にすぎる)だが,強いて英語の本を挙げるとすると,pattern recognition series が比較的有名である.
・Diagnostic Pathology: Neuropathology (2022)
Diagnostic Pathology シリーズはあまりここで取り上げないようにしているのだが,そもそも改訂されている本が少ない中で唯一改訂がなされている.
・脳腫瘍病理入門Q&A200 (2015)
この手の本としては珍しく入門的な書籍である.脳外科を志望する研修医の先生におすすめ.もちろん病理の研修医に対してもおすすめ.
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