1. 病理特有の状況
医師に転職はほぼつきもので,同じところに定年までとどまっている,ということは昔からほぼなかったし,恐らくこれからもない.時代のトレンドとしてこれからも活発化していく流れになるであろうというのは想像に難くない.
臨床の先生の転職と病理医の転職というのは若干事情が異なる.その一番大きな要因は,病理医の業界自体が非常に狭くて知り合いの知り合いでほぼすべての人に到達できるということ(実際に試みたことはないけど,2 人くらいかいせば確実にたどり着けるという確信はある).そのため身分を隠したり,ほんとうの意味で新規に行くということは結構難しい.はじめまして!でも,実は裏で身辺調査が行われていたりする.
なので,変な噂を立てられたりしたら途端に転職先が狭まってしまう.これは特に地方で顕著であり,地方では病理医を必要としている病院はほぼ中規模以上で,大学病院などの関連病院になっている.なので,そういうところに就職する際には必ずと言っていいほど医局に対して配慮が必要となるし,医局の意向が無視できなくなる.
2. 関東地方は比較的気が楽
自分は関東といくつかの地方しか知らないけれども,関東のほうが動きやすいと言える.
よく言うのはなにか犯罪を犯して逃げるのならば東京や大阪のほうが見つかりにくいと言われている.言い換えれば,木を隠すなら森という発想で,関東,特には病理医が一番多くいるから,関東にいるほうが一番目立たなくていい.
もちろん東大や慶應など伝統のある医局制度も残っているが,そうでない病院や大学もたくさんあり,ある意味選択肢は多い.地方から東京に出てきたけれども戻りたくないとういのは,ある種の居心地の良さがあるのかもしれない.もちろん居心地が良いかはいる病院次第というところが非常に大きいが.
3. 辞める,辞めないのジレンマ
転職を考えたときに,必ず問題となるのが,残ることのメリット,デメリット,そして転職することのメリット,デメリット.残るメリットがなく,転職することのデメリットがなければ基本的には異動を妨げることは何一つない.
しかしながら,多くはメリット,デメリットが錯綜しており,ときに判断を鈍らせる.判断を鈍らせる要因というのはたくさんあって,その多くは未知なるものに対して過大あるいは過小評価をしてしまうこと.それによって,評価が大きく歪んでしまう.
また自分では対処しにくい問題(上司が怒るかもしれない)に対しては過大評価してしまいがちで,変な脅しが来るかもしれないと考えると慎重にならざるを得ない.先程述べたように狭い病理の業界ではトラブルを起こすと敬遠されるかもと考えると結構二の足を踏む.
4. Think simply.
しかし,だ.実際にどどたん先生が見た,結構あれーーという辞め方をした人でも,人格的にちょっとヤヴァいかも,という人でも結構普通に仕事をしているし,そこそこの病院のそこそこのポジションにいたりする.多くの場合,そのようなトラブルは昔話になって美化されることが多い.変な話だけど.
でも多分それは「木を森に隠せているから」で,もっと black なことを言うと,隠しきれなかった人は多分違う診療科で頑張っているからだろうか.
2018年10月3日水曜日
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