https://twitter.com/pathotaro/status/1046621316646809601
平成30年度病理専門医試験
非3年制受験者 94人
3年制受験者 33人
欠席者2名
非3年制合格者数 (推定)74人
3年制合格者数(推定)26人
(3 年制の合格者数については「実名→厚労省の医師確認サイト」で,受験者の卒業年度をもとに推測されているようだ)
https://twitter.com/pathotaro/status/1046403218224295936
病理学会で公開されている、
平成30・31年度各種委員会抱負と課題公開http://pathology.or.jp/news/pdf/houfu_180805.pdf
の専門医資格審査委員会によると平成30年度専門医試験受験生は合計127人で、うち3年制受験生は33人とのこと。
と推測されているが,
http://pathology.or.jp/side/pdf/KAIHO367_0928.pdf
によれば,出願 124 名,受験者数 122 名,合格者数 100 名,合格率 82.0% となり,上記は 94+33-2 = 125 であり,受験者数については,若干の齟齬がある.会報誌を確実に正しい情報だという前提で再計算すると,
【平成30年度病理専門医試験】
非3年制受験者
3年制受験者 33人 (根拠)専門医資格審査委員会
欠席者2名 (根拠)会報誌
非3年制合格者数 (推定)74人 (根拠)パソ太郎先生の分析(合計 100 人から逆算?)
3年制合格者数(推定)26人(根拠)パソ太郎先生の直接カウント,合計 100 人は会報誌を根拠
上記を想定すると,非 3 年制 74/89 = 83%, 3 年制 26/33 = 78% となる((74+26)/(89+33) = 0.819 で,全体としても compatible である).
2. 上記の結果をどう解釈するか
これまでの病理専門医試験でもそうだが,4 年(あるいは 3 年)ですぐに受ける人は意外と少なくて,それ以上の病理診断専従の期間を経て専門医を受験する人が相当するいると言われている.
特に最近では剖検症例がなかなか揃わずに受験までたどり着かないという例も少なからずある(正直この制度はやめたほうがよいと思うが...).
これは 3 年制の方が合格率が低いという結果になり,3 年ではやはりトレーニングの期間が短いのでは?という印象を覚えざるを得ない.病理診断というのは経験,知識の蓄積という側面があり,ひらめきや手先の器用さは直接的には寄与しにくい.
2' 3 年制の受験者数が少ないことについて
もう一つ危惧すべきことについて,3 年制の受験者が 33 人であったとのこと.プログラム登録者数の全体像が手元に資料がないため,厳密な比較はできないけれども,毎年の受験者数(80-90 人)を考慮すると,病理 4 年目の先生のうち相当数(少なくとも半分以上)が今年受験できなかったことになる.これはとてもまずいことであり,3 年のプログラムでは受験資格を満たせませんと公式にアナウンスしているようなものである.
旧来の 4 年あるいは 5 年のトレーニングが必要だと考えている人が多くて,その傾向をなんとなく反映させたものなのだろう.これは病理を専攻に考えている考えている人にとっては negative な情報である.
3. 試験内容について
いわずもがなだが,molecular pathology の色濃さがだいぶ反映されてきた試験になっている.遺伝子変異あるいは免疫染色の抗体について問われた問題はざっとピックアップしただけでも
乏突起膠細胞腫 IDH, 1p/19q 共欠損
マントル細胞リンパ腫 cyclin D1
小リンパ球性リンパ腫 CD23
Kaposi 肉腫 Human herpes virus 8
類上皮肉腫 SMARCB1/INI1
網膜芽腫 Rb 遺伝子
孤在性線維性腫瘍 STAT6
滑膜肉腫 SS18-SSX
これだけ見られており,比較的軟部腫瘍が多い印象.やはり勉強するときは遺伝子変異をセットで勉強する必要がある.端的にいうと,良性腫瘍ですら(多形腺腫 PLAG1, HMGA2)遺伝子変異があるわけで,覚えることが多いように見えるが,上記出題された遺伝子変異はいずれも診断上極めて重要な変異であり無理をせずとも覚えることになろう.
4. 出題率の低かった問題
ココらへんは,大体疾患名を見れば検討がつくが,やはり頻度の低いものの正答率が悪いのはある意味当たり前.こればかりはしょうがない.満点を取る試験でもないので,別にできない問題があっても何ら不具合はない.
全体としては皮膚や骨軟部腫瘍の点数が低い傾向にある.
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