泌尿器領域の病理診断に関する本は多岐にわたる.個別の本もあるにはあるが,ここでは総論的に全体がまとまっている本を中心に紹介し,和書について個々の臓器の本を参照してみる.たくさん本があるので見たことのあるものを中心にある程度取捨選択をしていることに留意を.
まず WHO bluebook から
・WHO Classification of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs (2016)
これは 4th edition の本.恐らく今後数年以内に 5th edition が出版されると思われるので急いでいるあるいは今後泌尿器領域を専門とするのでなければ敢えて購入する必要はない.しかしながら疾患分類の基本の本と言える.
・Urologic Surgical Pathology (2019)
泌尿器領域における中心的なテキスト(乳腺でいう Rosen, 軟部でいう Enzinger etc 的な位置付け).ちなみにどうでもよいが,泌尿器領域の病理診断の本を検索するときには uropathology あるいは genitourinary pathology というキーワードで検索をするとある程度網羅的である.
・泌尿器病理診断アトラス: 臨床と病理の対話で学ぶ (2021)
検索をしているとこういう本も見つかった.まだ読んでいないが,都築豊徳先生は泌尿器病理では世界的に有名で恐らく間違いはないのだろう.
・Uropathology: A Volume in the High Yield Pathology Series (2012)
だいぶ古い本で正直購入はおすすめしないが,かつて自分が愛用していた本で今でもたまに見る.High Yield Pathology Series は箇条書きでとても参照しやすい.皮膚と合わせて愛用している.
腎生検についても言及をしないわけにはいかないのだが,腎生検自体は不得手.腎病理の先生たちがよく使っている,あるいは読みやすそうな本を数冊挙げる.
・Diagnostic Pathology: Kidney Diseases (2019)
Colvin の本として有名.箇条書きで読みやすく,情報量が多いとのこと.
・Heptinstall's Pathology of the Kidney (2014)
いわゆる大御所的な本.そろそろ改訂が望まれる.
・腎生検病理診断取扱い規約 (2019)
日本腎病理協会が腎生検病理アトラス改訂版を出しているのに,なぜここで規約を発行する必要があるのかという本質的な問いはさておき,簡潔にまとまっており,参照するのには便利.
・ジョーシキ!腎病理診断エッセンシャル (2020)
腎病理のみかたについて,基本的なところから丁寧に解説されている.きちんとやるならとても良い本.
・腎生検診断Navi (2016)
腎生検を始めた人あるいは腎生検なんぞ見る必要がないという人向け.人間に理解可能な言葉で記載されている.
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