2022/07/31 情報を更新しました.
特にこれといって新しい情報はなく,やはり WHO が中心とならざるを得ない.最近は出版のサイクルが少し鈍くなってきた気がする.
婦人科病理については流派のようなものがあり,それによって病気の命名方法が異なっている.とはいえ,WHO 分類に集約されつつあるので,WHO 分類を基本に,よく参照するテキストについて紹介をする.
・Female Genital Tumours: Who Classification of Tumours (2020)
WHO 分類が基本で,ここで大きく変わり周囲のテキストがそれに追随する.とりあえずこの本からスタートすると良い.
・Blaustein's Pathology of the Female Genital Tract (2019)
有名な Blaustein の婦人科病理の本.今回の版は挑戦的であり,索引が省略されている.目次からたどり着けないような初心者は使うなという玄人向けの本.冗談.索引はここからダウンロードできる.
・Diagnostic Gynecologic and Obstetric Pathology (2017)
Blaustein と双璧をなす,Crum & Lee の婦人科病理の本.どちらか好みの方で良いと思われる.
・Atlas of Gynecologic Surgical Pathology (2019)
こちらも婦人科病理の本だがアトラス的であり情報量としてはやや少ない.
・産婦人科病理学診断図譜 (1998)
非常に古い本だが,正常構造や非腫瘍性疾患についても詳細に記載されているため,とても有用.特に婦人科病理に興味がなければ個人持ちをしなくてもよいがまだ販売されており,持っておいても損はない.地味にシェーマがわかりやすくて講義なんかをするときにも便利.
・Gynecologic and Urologic Pathology: Similarities, Differences and Challenges (2019)
なかなかおもしろい試みの本.生殖器という共通性からどのように疾患が発生していくのか.対比をしながら提示している.
・胎盤病理アトラス (2021)
胎盤病理に新しい player が参入した.著者らいわく,10 年は使える本を目指したということで,確かに網羅性やわかりやすさという点で文句はない.
・周産期医療にかかわる人のためのやさしくわかる胎盤のみかた・調べかた-わかりやすい検査・診断チャート付 (2016)
胎盤病理という点ではこの本も捨てがたい.誹謗中傷になるので,どこの本とは言わないが,所詮感想文程度でしかない本をよりもよっぽど良い.
卵巣腫瘍アトラス,子宮腫瘍アトラスもあるが現在では入手不可能になっており,参照する本から除外した(子宮腫瘍アトラスは内容も古くなっており少し参照しにくいがそれでも非腫瘍性病変などは有用).もし図書として有していれば是非参照したいところ.
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