Plasma cell neoplasms of the bladder: A series of 9 cases
ちょっと何個か感想を書きながら,何をまとめたらいいか考えてみよう.
感想としてはまぁそうだろうな,という感じ.Clear cell adenocarcinoma の合併は結局なんでなんだろう.まぁたまたま?
ただ,少し気になったのが,IgG4 related disease の rule out はしてなさそう.膀胱で(別に膀胱でもなくてもいいんだけど),形質細胞多いなと感じたら
- Plasma cell neoplasm (primary or bone marrow の extension も含めて)
- Plasmacytosis / plasmacytoma
- MALT lymphoma で plasmacytic differentiation が激しいやつ
- IgG4 related disease
- Invasive urothelial carcinoma, plasmacytoid variant (plasmacytoid urothelial carcinoma)
- Chronic inflammation (結石でもなんでもいいんだけど,慢性的な炎症を引き起こすような局所的な要因)
あたりは丁寧に鑑別したいところ(特に教科書を参照せずに適当に思いついた物をあげているだけなので抜けてるかも).大体生検 or TUR での提出が多くて,fragmented な検体が多いから HE だけで鑑別するのは難しいことも多いけど.
Invasive urothelial carcinoma, plasmacytoid variant と診断するのであれば,やはり cytokeratin が陽性となることは最低でも確認しておきたい(IHC なしで診断をするのは勇気がいる,言い換えると間違えるリスクが結構高い).あとは lymphoma set の IHC で半ば機械的に処理をする感じかな.
Amyloid の沈着は確かに,plasma cell neoplasm に特徴的かもしれない.他ではそんなにみないもんな.ただ,Bowen's disease では上皮下に amyloid が沈着することはまあまあ有名.沈着したらなにかって感じではあるけど.
ここからは論文の内容とは関係ない.
このブログはおそらく google のサービスが終了しない限り 10 年間くらいは続きそうな気がするから,最初に書いておくけど,AI 病理診断が一般的になる今現状(あるいはなってからも?)では,いかに鑑別診断を挙げられるかが重要というかそれが全てみたいなところはある.
鑑別診断を挙げることができれば,あとはその鑑別診断を丁寧に rule out するだけで,各疾患に関する詳細はだいたい本や論文を見れば書いてあるから細かく覚える必要はない(全く覚えないのも問題だが,鑑別診断を出す時点である程度は分かっているはず).
ただそれが鑑別診断を覚えなくてもよくなるのかと考えると多分そうじゃないと思う.なんでもそうだけど,判断するにはある程度の知識や経験が必要で,最終的に人が判断をするというのであればそれなりの経験を求められる.
ここはまだどういう方向性になるのか未知の領域ではある.例えば車の運転についてはホンダが自動運転車を本当に実用化してしまった.気になって色々調べてみたところ,これは自動運転をして事故が起こっても運転者は原則無罪だそう(人が運転をするより安全で,もし事故が発生した場合は相手が 100% 有責でもしそうでなければ自動車会社が責任を追うとのこと).病理診断もそこまで行くと,AI 診断と呼べるだろうが,AI の機械あるいはアプリを作った会社が責任を追う未来が描けるだろうか(多分それをするくらいなら AI の作製会社が自ら診断をしているだろう).
そういう未来が来たときには多分本当に仕事がなくなるかもしれないが,でもそのときはおそらく社会全体の仕組みがガラッと変わっていて,そしていつも言っているように,そういう epoch making なイベントは静かに少しずつ近づいてきてることが多い.その波に遅れないように,update していく必要があるんだろう.
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