2018年1月26日金曜日

ラボはスポーツ

どどたん先生は週に 1 回検査センター(通称ラボ)の標本を診断している.もっぱら消化管生検で最初はだるいなーと思っていたが,ある時に少し思いついて,なるべく短時間でこなそうという発想になった.

短時間でラボの標本を見るためにはどうしたら良いかをまず考えてみた.最初に行ったのはものの配置.ラボ専用の部屋で診断をするのだが,全て椅子から立たずに一連の動作が行えるようにものの配置を工夫してみた.といっても只者を少しだけ動かしただけだけど.

そして次に考えたのが,入力に要する時間を短縮すること.そのためにはマウスを使った動作はどうしても時間がかかりタイムロスにつながる.よって,キーボードのショートカットで 9 割の作業を行えるように,研究を重ねた.

さらに入力する文章も検討を練った.同業者はだいたいわかってもらえると思うが,入力する文章の大半は定型的な文章で,そのテンプレートを頭あるいはパソコンから引っ張り出して書いている.今の職場(及び一般的な検査センター)ではテンプレート診断はあまり好まれていないようなので,ある程度 descriptive な記載をせざるを得ない.

そのためには定型的な文章を可能な限り,ATOK に登録するという作業を始めた.腺窩上皮と入力すれば,「腺窩上皮は再生性変化が見られ」「腺窩上皮は過形成性変化が見られ」「腺窩上皮は軽度再生性変化が見られ」「腺窩上皮は軽度再生性,過形成性変化が見られ」...などと,実際に入力する文章を可能な限りテンプレ化してみた.

結果として,R と入力すれば Regenerative gastric mucosa, Group 1, biopsy が予測候補として登場するなど,目覚ましい成長を遂げた.

最後の標本を読む時間については極力省かないようにしたが,使う倍率を最初から対物レンズ 10 倍で見るなど,意識するようになった.場所を見失った時に 2 倍にして探す.

種々の検討を重ねた結果...

大体 20 問を 1 時間を切るスピードで診断できるようになった.もっとも潰瘍性大腸炎やめちゃくちゃ量の多い生検などでは多少時間が取られるが.管状腺腫が多い日など調子の良い時はとりあえず自己ベスト 45 分という成績.

そしてスポーツ感覚でやっていると,1 分,1 秒を短縮するためのさらなる努力をしようという意識が湧いてきた.なるべくキー入力を少なくしたい,マウスを使わずに作業したい,文章量を減らしたい,など.そして限界も見えてきたのも確か.

最終目標は 20 問 40 分.1 問あたり 2 分の計算(そこをクリアするためには画面が開くまでやプリンタが印刷をしてくれている時間の loss をいかに有効に使うかが焦点になってくるだろう).

日々精進とはまさにこのこと.

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